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バベルのこどもたち   作者: 苫夜
5/40

第5話・キンモクセイの木の前で 中編

短めですが、キリ良くしたかったのでご容赦ください!

土曜日。

ウィンディは、手始めに46階層、通称『図書館』へ向かった。

ここは、戦争を生き残った書物たちが集められており、平民層以上なら2B$(バベルドル)を払えば、誰もが利用できる。

ちなみにB$(バベルドル)は、このバベルにおいて使われている共通通貨であり、これによって売買が成り立っている。

『図書館』で目的の書物を見つけたウィンディは、一心不乱にそれを読んだ。そして、必要なことを頭の中に詰め込んでいく。



日曜日。

ウィンディは、65階層、通称『植物園』に向かった。

聞くところによると、ここは、バベル創始期の住人の1人だった植物学者が、植物の絶滅を可能な限り減らすために、所持していた植物の種を全て植え、それが発達して今の状態になったらしい。その植物学者の孫が、現在この『植物園』の管理人を務めている。

その管理人に許可をとり、ウィンディはとあるものを集めにいった。

去っていくウィンディの後ろ姿を見つつ、管理人はポツリと呟いた。

「バベルの中で、こんなあたたかなものを見れるとはな…。」



月曜日。

ウィンディは、1階層、『処理場』に向かった。

ここに集められた不要なものたちの中を、ウィンディはひたすら探す。原料となるものが貴重となった現在、一介の民であるウィンディには、材料を買うほど資金面に余裕はなかった。

目的の物を見つけると、ウィンディはそれを持って、37階層へと戻っていった。



火曜日。

ウィンディは、製作を始める。細かい作業が苦手な彼にとって、製作は至難の連続であった。


水曜日。

試作第1号が出来上がる。

しかし、その見栄えは余りにも不恰好であった。


「これじゃあダメだ…。もっと上手く、もっと上手くしないと…。あと1日か…。急がないと。」


そう1人呟くと、ウィンディは再び製作に戻っっていった。



木曜日。

ウィンディは、かなり慣れて来た手つきで製作を続ける。何度も失敗するうちに、上達してきたようだ。



そして、遂に出来上がりを迎える。完成して、ウィンディは一つ息をつくと、大事そうにそれを袋に入れた。



その夜。

ウィンディはベッドの上に寝転がるが、眠気はまったく起きなかった。眠気がないのに身を任せ、考え事を始める。


(もしこれで喜んでくれなかったら…。断られたら…。)


ついつい弱気な思いが頭をもたげる。


(でも、ここまでやったんだから、僕は後悔は絶対にしない。必ず…必ずヤエに僕の思いを伝えてみせる!)


弱気になりがちな自分を鼓舞するかのように、ウィンディは、ベッドの上で手をグッと強く握った。強く。強く。痛いくらいに。
















そして、運命の日を迎える。



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