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バベルのこどもたち   作者: 苫夜
30/40

第30話・僕らは財宝探検隊 ⑤


《21:25 草原・秘密の入口》


「ここがそこへいく入口ね……。虎穴に入らずんば虎子を得ずってやつかしらね。」


入口を前にしてサヤカが呟く。


「コケツ?まあ一回俺が入ってるから多分大丈夫だろ、あんまり心配しすぎるなって。」


言葉の意味は分からなかったが、奇跡的に会話の成立を果たしたジョーが励ます。

彼は基本的にポジティブ思考なのだ。


「それじゃあ、行こうか。」


カンタのその号令で、4人は小さな入口の中へと入っていった。


《21:40 地下 秘密の研究室》


「結構時間がかかったね。」


「……すみません……。私どうしてもこういう狭いところが苦手で……。」


「いいわよ、別にみんな気にしてないから。」


「おうよ、折角の財宝探しだ。リーンも元気にいこうぜ!」


「……ありがとう……!」



リーンが微笑む。


リーンに合わせてゆっくり進んだため、4人は多少時間をかけてこの秘密の部屋に辿り着いた。


改めてみても、そこは異質な部屋だった。

そこにつながる道は地面をくりぬいただけの簡易的なトンネルだったのに、この部屋はやけにしっかりとした素材で舗装されている。

そして誰もいないのに、そこらにあるパソコンのようなものだけが不気味に機械音を奏でている。


「……本当に変な部屋わね。私の母や母のライバルだった人に見せてみれば何か分かるのかしら。」


母親が研究者のサヤカがそう呟く。


「このドアがどうしても開かないんだ。」


ずんずん部屋の奥へといっていたジョーが声をあげる。


「ほんとだ。というか、このドアドアノブもないのにどうやってあければいいんだろう。」


押したり引いたり試していたカンタが疑問を呈する。


「……この窪みが気になりますね……。」


つぶさにドアを観察していたリーンが気づく。


「あぁ、それ俺も気になったんだけど、この形に合うやつが何もなくてな。」


2人が話す脇から、サヤカがドアを覗き込む。


「……あれ、この形どこかでみた気が……?」


そういうと、おもむろにバックからあるものをとりだす。


「……やっぱこれだ!この形だわ!」


そういってサヤカがみんなに見せたのは、あの応接室で見つけた小さな青い石である。

相変わらず、不思議な光を放っている。


「……きれーい……。」


リーンがうっとりとした目でそれを見る。


「ほんとだね。この窪みと形がぴったりだ。」


冷静に状況を分析するカンタ。


「じゃあ、入れてみるわ。」


サヤカが、そうっとその石を窪みにはめる。


ドキドキする4人。


刹那、強い光が4人を襲った________




---------------------




ま、眩しい。


包んだ光が、私の目を眩ませる。


うっすらと目を開ける私。

まだ光は消えていない。

周りを見ても、カンタも、リーンも、ジョーもまだ目を開けられていない状況だった。

私はドアの方を見る。

光の奥に、何かぼんやりと見える。


あれって………?


ドゴーーーン!!!!!!!


突然の轟音に驚く私。

今見てたドアの方には、謎の動く鎧が立っていた。


ようやく視力が回復したらしいカンタとリーンが同時に叫ぶ。


「「あの鎧は!!」」


「なに!?知ってるの!?」


「客間にいたやつだよ!というか、こっちに向かって来てる!!逃げよう!!」


瞬時にカンタが判断を下す。


4人は急いで脱出を始める。


「ほら!!ジョー!逃げるわよ!」


視力が未だ回復していなかったジョーの手をサヤカが引っ張る。


「え?え?なに?なにがおこったんだ??」


ジョーの戸惑いを無視して、一同は必死に暗いトンネルを走る。


今はもう、リーンも泣き言なんて言っている余裕はなかった。


ガシャン。ガシャン。


遠くから鎧が追いかけてくる音が聞こえる。

4人は必死に、必死に走った。


必死に、必死に________




長くなりましたが、次話で今編完結です。

よろしくお願いします。

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