エイプリルフールの嘘と本当
深夜、気になっている女の子から電話がかかってきた。
「こんな夜中に電話してごめんね。あなたにずっと言いたかったことがあるの」
「な、なんだよ、急に」
「わたし、ずっと前からあなたのことが好きだったの」
「えっ、本当?」
「……」
しばらくの沈黙。
その間、驚きと嬉しさが胸の中をぐるぐると回る。
「ふふっ、時計を見てみて」
そう言われて近くにあったデジタル時計を見る。
4月1日午前0時0分ちょうど。
「なんだ、エイプリルフールかよ」
「そう、この話はうそだよ」