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第20話 性別逆転 その2

「どこなの・・・。一体・・・」

隆は走り続けた。すると1人の女性にぶつかった。いやこの状態だと、女になった男と言うべきか・・・

「ごめんなさい。ちょっと探している人がいまして、何か怪しい人を見ませんでしたか?」

「いいえ。見てないですよ」

「そうですか」

隆がその女性の前を通ろうとすると、急に腕を掴んできた。

「何をするんですか?」

「何が?」

「ふざけないでください!!!これは完全に異常事態!!能力者が能力を使っているのは、確定なんです!!!もしもこのまま性別変化が続いてしまうと・・・」

「本当に性別が逆転してしまう?」

「そう・・・え?」

隆はその女性の顔を見た。するとどんどん顔が変わっていった。

「きっ!!貴様!!まさか!!」

「終わりだ。睦月 隆!!女になったお前は男の時より、身体能力が低いからな!!女になったお前など俺の敵ではない!!」

「お前が能力者ね!!」

右手の拳に電気を溜めて、男の顔面めがけて、拳を振るった。しかしそれは簡単に避けられた。

「遅いな。景都様の弟はそんな程度か?」

逆に男に殴られた。

「うぐっ!!」

「おっと。今は妹になるのかな?あぁ?」

ドゴドゴと倒れている、隆の腹を踏んだ。

「ほらほらほらほら!!!!」

「うぅ・・・」

隆は腹を抱え苦しんでいた。

「あの美伽とかいう女・・・いや男?俺の能力はややこしいからな。まぁ良い。美伽とかいう奴は、あとで殺す。先にお前を殺してやるよ」

すると隆の胸倉を掴み、誰にも見られないような建物の隙間に連れていかれ、投げ飛ばされた。

「俺の能力はよぉ。女を男に、男を女にする能力。だけどイケメンになるとか、美女になるとか、ブスになるとかは、分からない。なぜならこの能力は、さっきも言ったが、ただ女や男にする能力。この男がもし女に産まれていたらどんな人になるのか。この能力はそれを仮定して、それを現実にする能力。だからお前がもし女に産まれていたら、その姿だという事だ。因みにあの美伽とかいう女ももし男に産まれていたら、あの姿というわけだ」

隆は男を睨んだ。すると男は隆の首を掴んだ。

「お前以外と可愛いよな。結構俺の好みだぜ?」

「あんたなんかに好かれても何も嬉しくない・・・。うっ!!」

「ククク!!」

段々と首を締め付ける手の力が強くなってきた。

「ほらほら!!電気を流してみろよ!!」

ビリビリビリ!!!と首から男の手に電気を流した。しかし

「どうした?電気が弱いぞ?女になったから、筋肉が少なくなり、同時に電圧を強くする力が弱くなったという所かな?クククククク」

「うぅ・・・放っ・・・して・・・」

「駄目だな。このまま首を締め付けてやる!!能力の首締めは本当にすぐに死ぬからな」

「あっ・・・あぁぁ・・・」

「安心しろ。最初は気絶で済ましてやる。その後」

男が口を隆の耳元まで近付けると

「たっぷり遊んだ後殺してやるから」

段々と意識が飛んでいくのを実感した。そして視界も段々悪くなってきた。

(もう駄目・・・私・・・)

すると男が急に手を放した。

「うっ!!ゴホ!!ゴホ!!」

男を見ると、男は右手を左手で抑えていた。

「なんだと!!」

男の手から血が出ていた。隆はすぐに男を攻撃した物を見つけた。

「これは・・・美伽の!!」

「ファインプレーだぞ!!」

水玉が何度も跳ねていた。恐らく褒められて喜んでいるのだろう。

「なんだと!!貴様!!どうやって分かったんだ!!」

「水玉が教えてくれたんだよ。怪しい人を探してと頼んだら、この水玉は隆くんの方へ行った。僕はただそれについて行っただけ。この水玉は多分個人で探すより、みんなで探す方が安全で良いと判断したんだな。だから隆くんの方へ行った。そして付いて行くと、本当に隆くんが襲われていた。ただそれだけだ」

「くっそ!!!」

隆の背後に周ると、ガシッと隆の首に腕を廻し、首を絞め始めた。

「くっ・・・」

「ほら!!もしまたその変な水で攻撃してみろ!!この隆を殺す!!」

「なっ!!」

美伽は動かなくなった。どうしようか悩んだ。攻撃すべきなのか、それともあの男の言う通りにするか。そう考えているうちに、男は少しずつ後ろに下がっていた。

(ククク。勝った!!女1人相手だと俺は負けやしない!!)

すると急に激痛が下半身から来た。

「へ?」

隆がニヤッと笑っていた。

「どう?これは!!」

また激しい痛みが襲ってきた。

「うぐおぉぉぉ!!!」

すぐに分かった。

「貴様!!どこを攻撃しているんだ!!!」

「どこって。あなたの急所じゃない。というより男全員の弱点だけど」

「なんだと!!貴様!!」

男が隆の股間を蹴ろうとしてきた。

「私は今は女だから。無いわよ」

足を掴むと、足を引っ張った。

「なんだとぉぉぉぉ!!!」

隆の両手の拳が何発も顔面を襲った。

「うぐぐぐぐ!!」

「うぉぉぉ!!!」

電気も微量だったが、一緒に流れてきた。そしてトドメの1発で、男の体は吹っ飛び、後ろの壁にガンッ!!とぶつかった。

「あがが・・・貴様ぁぁ!」

「そのまま眠ってなさい」

顔面を踏まれた。男は気絶した。


〜数十秒後〜

男は目が覚めた。するとすっかり男と女に戻っている、隆と美伽が目の前にいた。

「あっ・・・あぁぁ・・・」

「どうしたんだ?えぇ?お前。そんな震えてよ。何か嫌なもんでも見たのか?」

「そうねぇ。悪夢でも見たのかしら?」

男は立ち上がって必死に逃げた。100mぐらい先に、自分の車を停めてある。そこに行って車に乗って一旦逃げようと思っていた。しかし

「うぉ!!」

何かに引っかかって転んだ。下を見ると、手の形をした水に足を掴まれていた。

「はっはっはっ!!放せ!!この野郎!!」

水なので幾ら触ってもキリがなかった。

「はい残念。追い付かれてしまったぞ」

「ひぃぃぃ!!!」

男は両手の平を合わせて

「分かりました!!謝ります!!もう2人の前には絶対に現れませんから!!命はお助けください!!!」

2人は顔を合わせて、頷くと、そのまま帰った。すると男は立ち上がり、笑った。

「よし!これでまた性別を逆転させれば・・・」

能力を発動!!と思うと

「へ?あれ?なんか体の中から痛みが・・・しかもただの痛みじゃねぇ!!!まさか!電気がぁぁぁぁ!!!!」

口や目から電気が溢れ出てきた。そして丸焦げになって倒れた。

「女だった時にお前の顔面を殴るついでに電気を贈ったのはこの為さ。結局は俺が流した電気は、俺の電気だから、操れる。操れると言うことは、お前の体の中で電圧を一気に上げることが出来るということだ」

と一応解説したが、意味はなかった。

「ふぅー。眠気が覚めたわ。それにしても女になった隆くんの胸が私より大きかったのは、少しショックだったな・・・」

「お前。能力者と戦ってる時にどこ見てんだよ」

隆はやれやれと顔を振って家に帰った。美伽も家に帰って、ベッドに飛び込むと、すぐに爆睡した。

〜能力者プロフィール〜


能力者名


広田ヒロタ セイ 28歳


能力

周りの人達の性別を逆転させる。(男なら女に、女なら男に変える)


ステータス

見た目3・頭脳3・攻撃力3・スピード3・器用2

精神2・体力1・忠誠心3・悪の心9・善の心0


弱点

飽くまで、この人がもし男に産まれたら、もし女に産まれていたら、と仮定した物なので、イケメンなのか、美女なのか、ブサイクなのかは本人さえもわからない。


「隆くんがめちゃくちゃ美人でビックリしたわ」

「まぁうちの高校の女子の間で噂になってるからね。隆ってイケメンだよねって。だから元がカッコ良かったら、女になっても美人になるんじゃない?」

「え?最近噂になってるの!?」

「えぇ。結構ね」

「そうなんだ」

「そんな事よりこの能力者の説明ね。まずこの能力は範囲があって、そこから出ると元に戻るのよね?」

「分からないけど、あぁいう広範囲の能力は、範囲から出ると能力が解除されるって隆くんが言ってた」

「そう。これからももしかしたら、出るかもしれないけど、こういう能力者は、周りの人がどうなろうが知ったこっちゃないって人。だから関係ない人を巻き込むの」

「それにこの能力って、ずっとかかっていると、そのうち本当に性別が逆転しちゃうっていうから怖いわ」

「あなたは男になりたいとか思った事あるの?」

「私は無いよ?夏子は?」

「私も無いわよ。ただ前に霧矢が、『もし女だったらなぁ・・・』とか言ってたわね。あの変態野郎・・・」

「本当は仲良いんじゃないの?」

「そんな事ないわよ!!」

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