表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/30

第19話 性別逆転 その1

〜4月27日〜

「ふわぁ〜。眠っ」

放課後美伽は学校を出ると、手で口を覆って、欠伸した。

「今日の授業は凄く眠たかったな。早く家に帰って、寝ようと・・・」

前を見ると、隆が鞄を肩にぶら下げて歩いていた。

「あっ!!隆くん!!」

「ん?美伽か」

「一緒に帰ろう!!」

「それは良いけどよ。お前大丈夫か?目が細くなってるぞ」

「ちょっと眠たくてね。ふわぁ〜」

「ふぅん。まあ別に良いけど、途中で商店街に行って、漫画を買うが良いか?」

「うん。良いよ」

2人は商店街に向かって歩いた。

「あの2人・・・。睦月 隆と、その幼馴染の雨音 美伽だな。どうやら商店街に向かっているみたいだが・・・。ククク。だが良い。というよりラッキーだ。人が沢山居れば居る程、能力を使っている人間が誰なのかがバレにくい。特に俺の能力だとな・・・。俺の能力で死ね。睦月 隆・・・ククク」

ある男が2人を見て言った。


〜商店街〜

コクコクと美伽が眠たそうに顔を揺らしていた。

「帰ったらどうだ?」

「ううん。大丈夫・・・。あそこだよね。隆くんが買おうとしている漫画が売っている本屋って」

「あぁ。なんかここしか売ってねぇんだよな」

本屋の前に来ると、突然後ろの男性が大声で

「あれぇ!?なんで私!!こんな体になってるの!?声まで!?」

と叫び始めた。2人はサッ!後ろを振り向いた。男が1人で女性の様な喋り方で喋っていた。

「なんだ?」

「オネェの人かな?」

「じゃあ問題ないか。別にオネェだろうがなんだろうが俺達には関係無いだろうしな」

隆と美伽は店に入って欲しかった漫画を探した。

「あった。これだ」

「8巻?」

「あぁ。結構面白くてな。何巻か出ているが、順番に買おうと思ったな」

「ふぅん」

すると今度は後ろで女性が

「なんじゃこりゃあ!?」

叫び出した。

「五月蝿えな。本屋なんだから黙ってろよ」

「ん?・・・あれ?」

美伽がなんか自分の体を見て、変な声を出し始めた。

「どうした?」

「私の髪が短くなって来てる!?しかも胸が!!無くなってきてる!!!???」

「何言ってんだ?というか・・・お前・・・そんなに筋肉質な体だったか?」

「へ!?なにぃーー!?なんなの!!これぇぇ!!!!」

「一体これは・・・」(外で騒いでいた奴やさっき、本屋で騒いでいた奴も・・・まさか・・・)「外に出るぞ!!美伽!!」

「うん!」

完全に低い声(といってもめっちゃ低いという訳じゃなく、前と比べたら低い声)になっていて、もう完全に女じゃなくなっていた。店から出ると、周りの人達も、自分の体を見たり、鏡で顔を見たりして騒いでいた。

「なんだよ・・・これ・・・。だが確定した。これは能力だ・・・」

「隆くん・・・隆くんも」

「何?」

自分の横にサラサラとした物が見えた。そして触ると、黒くて長い髪だった。

「なんだ!?」

そして胸も大きくなり、体つきも以前に比べたら細くなり、足も元から長い方だったが、もっと長くなった。

「これは!!!」

鏡を見ると、モデルになっていても可笑しくないぐらい美人になっている自分がいた。

「これは・・・」

「隆くん・・・私が女だった時よりも胸が大きい・・・」

美伽は自分の胸を押さえて少し悲しんでいた。(傍から見れば、男が胸を押さえているので、変な感じだが)

「そんな事はどうでも良い!!取り敢えずまずい!!この状況は!!!範囲が広すぎる!!しかも無差別で攻撃してきているから、誰が俺達を攻撃しているのか分からない!!!」

隆は焦った。皆自分の性別が逆になっていることに驚いていた。当然っちゃあ当然なのだが、敵が誰なのか分からない。敵も隆達を惑わす為、演技をしているんだろうが、誰が演技をしているのか分からない。

「駄目だ・・・全然分からない・・・。一体どこにいるの・・・。!?あれ!?!?」

汗が勝手に全身から出てきた。

「どうして・・・声は分かる・・・だって・・・美伽も声が男になっているんだから・・・。でも・・・まさか口調まで女になってる!!!」

「どうした!?隆くん!!!」

「という事は・・・。やばいわ!!これは早く敵を探し出し、殺すか、能力を解除させないと・・・」

隆は細く美しい足で走り出した。

「隆くん!!!」

「今体は完全に女になってきている・・・。という事は・・・早くしないと、手遅れになる前に敵を倒さないと!!」

隆は周りの人の顔を見て大声で

「私達の体が、本当に性別反対になってしまう!!!」

その声が聞こえた美伽も焦り始めた。

「まずい・・・。僕達だけなら良い。だけど、周りの人達も巻き込んでしまっている・・・」

「敵はどんな奴なの!!!早く探さないと・・・」

2人は商店街を必死で探した。しかしそれらしき人は1人もいなかった。

「能力を使う!!」

鞄から天然水のペットボトルを取り出して、キャップを開けて、水玉を作り出した。

「頼む!怪しい人を見つけたらすぐに教えて!!」

この美伽の能力は多少自我があるので、1人で勝手に動く事が出来る。しかも主人である美伽に忠実なので、ちゃんと探してくれる。すぐに水玉は美伽から離れた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ