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第16話 未来予知

〜同日〜

隆は怪我を治し、退院して、家に帰っていた。夏子と霧矢とは既に別れている。

「はぁ。疲れたな。ずっと寝たきりというのも辛いもんだぜ」

首を抑えボキボキと首を鳴らすと、横を小さい子供が通った。近くには公園がある。だから別に可笑しい事ではないのだが、子供が嫌いな為いつも横を通って行くとイラっとする。

「チッ。うるせぇんだよな。本当に」

そう言っていると、さっき横を通った子供が隆の前で止まり、少し横顔を見せるとニヤリと笑い

「予言は出た。30秒後あなたにボールが飛んで来る」

「あ?」

何を言っているんだこいつ。頭可笑しいのか?と思った瞬間横から何かが飛んできた。

「おい!どこ蹴ってんだよ!下手くそ!!」

「ごめんごめん!!」

飛んで来たのは、サッカーボールだった。

「何!?」

突然の事だったので、驚いたがすぐに冷静になり隆は、すぐに両手でサッカーボールをキャッチした。

(これは偶然か・・・?いやこのガキは能力者か?だとしたら・・・)

ポイっと飛んで来た方向へボールを投げ返した。

「はぁ。当たりはしなかったか」

その子供は足で地面をサッサッとイラついた様に蹴った。

「次の予言は・・・」

隆はすぐにその子供を敵と判断し、拳を握って子供の後頭部を殴ろうとした。

「くっ!もしも違ってたらあのガラシャっていう子の所へ連れて行けば良い!瀕死にするだけだからな!もし敵だとしたらすぐに攻撃しなければ!!」

隆が近付いてくると子供は笑いだした。

「はっはっはっ!!!!出た出た!!予言!何々?5秒後車が・・・」

ブップー!!という音が後ろから聞こえた。

「あなたの方向に目がけて突っ込んでくる!!!」

振り返り少し横に移動して、隆を人差し指でさして言った。隆は後ろを見た。

「あっぐ!!」

ギリギリ避けたが、地面に思いっきり、右腕をぶつけた。

「痛た・・・」

「もうまた避けられた!!なんでこうも上手くいかないのよーッ!!!」

子供は完全にキレていた。隆はすぐに立ち上がった。

「分かったぞ。お前の能力。そしてこれで決まったお前は敵だという事が・・・。もうここからは手加減しない!」

「良いよ。手加減しなくても。私の能力は絶対!!予言は絶対なの!!あんたなんかに逆らう事なんて出来ないわ!!」

「10歳ぐらいのガキに負けるわけがない」

「へへん!!勝手に言いなよ!!結局あんたが負ける運命には変わらないんだからね!」

少女は地面をチラッと見た。隆もその方向を見ると、地面に文字が浮かび上がっていた。

「出た!予言!!1分後飛んでくるタイヤに当たる!!」

「タイヤだと?」

後ろを見ると、結構遠くだが、道路の向こう側にトラックが走っていた。

「まさか・・・あのトラックのタイヤか?」

「例え何が起ころうと、未来というものは必ず変わらない。私の予言はそういう未来を見せてくれる。ただそれだけ。でも!それだけで十分!!私の予言は絶対なのよッ!!」

少女はどんな悪足掻きをしてくるのだろうかと思い、隆を見ると、ただ突っ立ているだけだった。

「?何を突っ立ってるのよ。私を攻撃しようとかしないわけ?」

「それをわざわざ言うのもどうかと思うが。俺は攻撃しない。お前のその予言が絶対と言うのなら、それに従おう」

「へっ!!諦めたのね!!」

後ろでギーーーッという音が聞こえた。トラックが横から来た信号無視の車にぶつかり横転して、こちらに向かって地面を滑って来た。

「来た!!」

タイヤが飛んで来た。隆は顔だけ後ろに向けた。しかしその顔は平然としていた。

「お前の能力の弱点はお前が教えてくれた」

「は?」

タイヤが隆目掛けて飛んで来た。しかし隆はスーッと右に寄った。タイヤは真っ直ぐにしか飛ばないので、隆には当たらなかった。

「お前の能力の弱点は具体的な内容は教えてくれない事だ。さっきのサッカーボール。俺の方に飛んでくると書いていたが、当たるとは書いていない。だから俺はキャッチ出来た。車も突っ込んでくると書いてあるだけで、轢くとは書いていない。そうだろ?それで今回はタイヤに当たるだったよな。さぁ誰がタイヤに当たるんだ?」

「はっ!!まさか!!!」

気付いた時にはもう遅かった。タイヤは少女の目の前に来ていた。

「お前だな」

「ぐががぁ!!!」

少女の顔面に直撃。隆は少女の喉に手を当てた。

「息はしているな。気絶しているだけか。運が良い奴だな。普通は死んでるぞ」

タイヤを見ると、空気が抜けていた。空気が入っていたら、とても硬いが、入っていなかったら、まぁ普通よりは硬くない。

「恐らくあの車と衝突した時にパンクしたんだろう」

だとしても、タイヤは硬い。本当に運が良いとしか言えなかった」

「まぁ良いか。にしても本当に弱い敵だったな。まぁガキだから仕方ねぇか。岩男の様な奴とは戦いたくねぇが、こういう奴と戦っても、楽過ぎるんだよな。はぁ。取り敢えず病院にだけでも送っといてやるか」


少女は数時間後病院で目が覚めた。しかし頭を強くぶつけた所為か、一部分の記憶が無くなっていた。しかし別に生活とかには支障が無いので、めでたしめでたし(笑)

〜能力者プロフィール〜


名前

香月キヅキ 芽衣メイ 10歳


能力

未来を予言


ステータス

見た目5・頭脳2・攻撃力0・スピード2・器用3

精神1・体力1・忠誠心2・悪の心4・善の心1


弱点

予言してくれるのは、10分後までの事で、しかも具体的な内容は記してくれない


「弱い」

「弱いわね」

「こんなんじゃあ隆君に勝てるわけないよ。しかも10歳って(笑)」

「まぁまぁそんなに言わなくても良いじゃないの。それにしても良かったわよね。タイヤに直撃したのに行きていられて」

「不幸中の幸いというやつね。それにしても敵なのに助けてあげる隆君て流石よね」

「まぁそうよね。私ならすぐに焼き尽くして殺すわ」

「私は溺れ殺すわね」

「「ハハハハ!!!」」

女って怖いですよね

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