2話 朝のB組
行の空け方難しすぎます……。
学校に行くと、すでに小野塚先生の話は知れ渡っていて、教室じゅうがざわめいていた。
みんなして、これは事件だから警察が学校にも来るんじゃとか、お通夜はどうするべきかとか。でも先生は一度自分たちを殺そうとしたし、今さら行くのも……。
僕は頭をおさえる。
ずきずきとした痛みが走り続けている。
「私は行くわ」
そう言ったのは戸田さんだった。
「い、行くって……お通夜?」
林道くんの質問に戸田さんは「当たり前でしょ」と腕組みをしながらそう言った。
「もちろん林道、あなたも行くのよ?」
「え、なんで!?」
「あなたもこのクラスの委員長でしょ? 委員長だったら行くのよ」
「えぇぇ…………」
林道くんは心底嫌そうに顔をゆがめた。
「雪はどうする?」
朝イチでいつもなら、「使う文房具どれがいいかな」と聞いてくる篠田が全く違う質問を僕にしてくる。
僕だって、どうしたらいいかわからない。
視線を教室にめぐらせると、後ろの席にいる海さんが目に留まった。
腕を組んだまま何か考え込んでいる様子だ。
僕はすぐにそちらへ向かって「おはよう」と話しかけてみた。考え事の最中に話しかけるのは悪い気がしたけれど、なんだかものすごく今、彼女と話したくなったのだ。
しかし海さんから反応はなかった。
「海さん?」
体を軽く揺すると、彼女の体がびくんと過剰な反応した。
こっちを向いた彼女の顔は青ざめている。
「ど、どうしたの? 海さん」
「な、なんでもない!」
彼女はそう叫ぶと、急いで立ち上がって自分の鞄を持って教室を飛び出した。
「海さん!」
僕は慌ててその背中を追いかけようとすると、海さんは教室からでてすぐの場所で立ち止まっていた。
勢い飛び出した僕は危うくぶつかりそうになって、慌ててブレーキをかけた。
「わたし、今日早退する……」
「え?」
唐突すぎて僕はちょっと理解が追い付かなかった。
「理由はテキトーでいい。そうだな、インフルエンザ治りきってなかったかも、とか」
って、インフルエンザにかかったのは2週間前じゃなかったっけ?
思わずそう言いそうになった。
海さんは駆け出す。
「海さん!」
名前を呼ぶけれど彼女は振り返らなかった。
やがて近くの階段を駆け降りる音が廊下まで響いてきた。
毎回、スマホで書いていたりパソコンで書いていたりと、気分によってバラバラでしたが、スマホ投稿に統一しようと思います。さぞ読みづらかったように思います。
これからもよろしくお願い致します。