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彼は彼女  作者: 櫻井
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告白6

「はぁぁぁ。」



やっと家に帰ってきた。長かった一日が終わる。



「おかえり。遅かったじゃない。」



リビングに入ると、キッチンにいた母が心配そうな顔でこちらをうかがっていた。



「ただいま。うん。ちょっとね。。」



「あら、何かあったの?」



いつもならすぐ相談するけど、なんて言えばいいのか。



『ずっと好きだった先輩に告白したんだけど、その人女の人だって知って、びっくりしてたら付き合ってほしいって言われた。そのあとめちゃめちゃに泣いて―』



言えるわけない。




我ながら、何をしているのか。信じられないな。あんな長い間、先輩のこと見かけるだけでドキドキして直視できなかったのに、今日たった一日でこんなに進んだ、先輩との関係。



「ううん。大したことじゃないの。」



「そう。何か困ったことがあればすぐいうのよ。」



「…うん、ありがと。夜ご飯なに?手伝うよ。」



「今日はね、ハンバーグよ。」



「やった。手、洗ってくる。」



話せるようになったら、ちゃんと報告するから。ごめんね、お母さん。

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