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彼は彼女  作者: 櫻井
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告白5


あれから、先輩はずっと一緒にいてくれた。



溜まっていた涙を全部流した私はかなりスッキリした。



「すみません、なんか…。」



「大丈夫だよ。でももう帰らないといけないかも。」



教室の外を見ると、もう空は茜色で、人もまばらだった。



「もうそんな時間ですか。」



「違うとこで、もう少し話す?」



「いえ、もう遅いので。すみません、こんな時間まで付き合ってもらって。」



「嬉しかったよ、美佳ちゃんと話せて。」



「よし、じゃあ帰ろっか。電車?バス?」



「電車です。」



「一緒だ。駅まで一緒に行く?」



「はい。」



そうして、私達は教室を出た。



駅まで、お互い話すこともなく、黙ってゆっくり歩いていた。でも、不思議と気まずくなくて、逆にその静寂が心地良かった。




あっという間に駅に着いた。



「何駅?」



「ー駅です。」



「そっか。じゃあ、反対方向だね。」



「はい…。」



「じゃあ、ま「あの!」



「どうした?」



「あと、連絡先教えてくれませんか?」



「えっ。あっ、そっか。もう学校じゃ会えないもんね。」



「そうですね。」



少し寂しいけど、先輩のおかげで再会への期待の方が大きい。



「またね。」




「はい、また今度。」

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