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醜くても美しくあれ!  作者: 千番 煎次
8/15

本心

縦ロールさんにストーカー宣言をした後、急いで町に戻り、サバイバル生活に役立つ物を片っ端から買い漁り、急いで草原に戻ってきた。


そう言えば、ギルドにも宿屋にもお別れをいってなかったような気もするが、あの人達とは日頃あまり喋っていなかったから、まあ、いいか。



律儀に縦ロールさんは待ってくれていたみたいだ。


「お待たせしてすみません!」


「待ってないわよ!文句を言いたいだけよ。 ……なによ、ストーカーって!いやよ!ついてこないでよ!」


「お願いします!どんな雑用でもやりますから!」



そう言って僕は土下座をした。



「ちょっ!ちょっと!……………分かったわよ、勝手にしなさいよ。……もう。」


やった!!


「そのかわり、」


ビシッ!と縦ロールさんが指をさす。


「少しでも、その……、ひっ、卑猥なことをしたら、只じゃおかないわよ!」


そう言って手から火の玉を出す。


「もちろんですとも!」


僕は彼女の側にいるだけでも幸せなのだ。



「契約成立ね。」








もう日が暮れてしまった。


「どうして、あんたは、そんな、荷物で、歩いているのにっ、平気で、いるのよっ!」


縦ロールさんが、息を切らしながら言った。


中学のころ、毎日数十人の荷物運びをさせられてたからなあ。このくらいどうってこともない。


「そろそろ日も暮れますから、ここで寝ましょう。」


そう言って僕はテントを建てた。


「….….….….どうしてテントが一式しかないのよ?….….まさかっ!卑猥よ!」


そう言うと、縦ロールさんは両手で自分の体を守るように交差した。何をしているのだろう?


「そのテントは縦ロールさん用のテントですよ。僕は外で寝ますよ。」


「そうなの….….。なんか悪いわね…。」


「そんなこと気にしないでください。それよりもご飯が出来ましたよ。」


そう言うと、僕は店先で売っていた『一分でお米が炊ける土鍋(79800円)』を使ってご飯を炊いていた。


ちなみに『料理不要!袋を開けるだけカレールー(310円)』を使ってカレーライスにしてみた。


「….….….普通」


「….….普通だね」


普通だった。






僕は今までの人生で初めて幸せを感じている

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