表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
醜くても美しくあれ!  作者: 千番 煎次
4/15

高貴な身分の

親方!空から女の子が!……なんて言う間もなく、その女性は真上から猛スピードで降ってきた。


「あぶない!よけて!」


避けれなかった。




「いたたた……」


彼女のクッションになったせいで、体の節々が痛む。


抗議をしようと、彼女の方を見る。









そこには凛としたたたずまいのお姫様がいた








「ちょっと、そこのあなた!この町から外に出れる抜け道を知らない?出来れば人目につかない所で。」


彼女は相当焦ったような表情で、僕に話しかけてくれた。

とても困っている様子だった。


「それなら下水道を通ればいいですよ。」


この1ヶ月の間、下水道掃除もやっていたので、道はだいたい覚えている。


そして下水道の出口はちょうど外の川だ。


「はぁ? 下水道?……いいわ。案内しなさい!」


そう言って彼女は小さな袋を投げた。ジャラっとした音が鳴った。


何が入っているのか分からないが、僕はおとなしくそれを受け取った。


「契約成立ね、行きましょ。」


荷物持ちにでもさせられたのかな?


まあ、彼女と居れるならどんな荷物持ちでもしたい。







自分は今までこんなに異性と長く話したことがあっただろうか?それもこんな美女と。


驚きながらも彼女を案内していると、ドスの効いた声が聞こえた。怖い。


「いたぞ!こっちだ!」


数人の屈強そうな男たちが僕らの方を見て叫んでいた。彼女は焦った顔をしている。


きっと彼女は、アイツらに追われているのだろう。



「こっちですよ!」


そう言って僕は彼女の手を強引に引っ張った。

早く逃げなければ!


「えっ、あ、うん。」


彼女は少しとまどっていたようだ。僕は全速力で下水道の入り口まで走る。


「くそっ! 回り込め!」


後ろから男達の声が聞こえる。


彼女が遅い。ドレスみたいな服を着ているからだろう。

このままでは捕まってしまう。



どうしよう?


迷っている場合じゃない!



僕は決心して、彼女を抱えた。お姫様だっこだ。


お尻に手が触れないよう細心の注意をしながら、全速力で走った。


彼女は動揺していた。あとで謝ろう。





ようやく追ってらしき人達が見えなくなり、下水道の入り口に着いた。疲れた。



「ごめんなさい!」


「えっ?あぁ、別にいいわよ。」


よかった、気にしてないようだった。


「それで、ええっと、姫様?は、なぜ逃げていらっしゃったのでしょうか?」



「姫様はやめて!!!」



ビックリした!……何か事情があるようだ。名前を聞くのは止めておこう。




「ええっと、じゃあ、縦ロールさん?」




彼女は美しい『縦ロール』をお持ちだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ