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醜くても美しくあれ!  作者: 千番 煎次
12/15

蹂躙

「何でオリバーがここに!?」


縦ロールさんは震えながらそう言った。


「別に俺がどこにいても、あなたには関係無いだろう。」


「そうじゃなくて、仕事は!?大将軍のあんたがこんなところにいるのよ!」


「今はシルバ村の門番だ。」


オリバーさんという人が、堂々と言った。



「私を捕らえに来たの?嫌よ!帰らないわ!」


縦ロールさんは泣きそうになりながら、…………いや、少し泣きながら、大声で抗議した。





縦ロールさんが泣いてる。困っている。





僕は縦ロールさんの前に立ち、槍を構えた。


「ちょっと?無理よ!あんたじゃ勝てるわけ無いもの……。」


そう言う縦ロールさんを無視して、突撃した。





瞬間、その大男は槍をつかみ、折った。


まだだ、大男に掴みかかろうとし、地面に叩き伏せられた。


「ぐはぁ!」


身体中に痛みが走る。


大男は無理やり体を持ち上げ、こう言った。


「俺に闘いを挑んだ。そう言う認識でいいか?」





大男からの殺意を感じた。それも巨大な。


奴の質問に答える様に頭突きをしてやったが、大男の頭の方が固かった。


クソッ、大男を睨み付ける。






「………………ふっ。」


大男が笑いやがった。


「勇ましいな。その調子で『フローラ姫』を守ってくれよ。」


そう言うと、村の中へ帰っていった。









「まったく、あんな無茶しちゃ駄目でしょ!」


縦ロールさんは心配してくれていたようだ。


「すみません……。」


「ま、まぁ、私のためにしてくれたんだし…………、今回は特別に許してあげるわよ。」



縦ロールさんは顔を赤くしていた。好感度が2上がった!




「そう言えば、あの人が最後に言っていたフローラ姫って誰なんですか?」





そう言うと、縦ロールさんは困った表情をした。


「わかった、教えてあげる。でも、知ったからって態度を変えちゃダメよ。約束よ?」


僕は素直に頷く。


「……契約成立ね。」









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