蹂躙
「何でオリバーがここに!?」
縦ロールさんは震えながらそう言った。
「別に俺がどこにいても、あなたには関係無いだろう。」
「そうじゃなくて、仕事は!?大将軍のあんたがこんなところにいるのよ!」
「今はシルバ村の門番だ。」
オリバーさんという人が、堂々と言った。
「私を捕らえに来たの?嫌よ!帰らないわ!」
縦ロールさんは泣きそうになりながら、…………いや、少し泣きながら、大声で抗議した。
縦ロールさんが泣いてる。困っている。
僕は縦ロールさんの前に立ち、槍を構えた。
「ちょっと?無理よ!あんたじゃ勝てるわけ無いもの……。」
そう言う縦ロールさんを無視して、突撃した。
瞬間、その大男は槍をつかみ、折った。
まだだ、大男に掴みかかろうとし、地面に叩き伏せられた。
「ぐはぁ!」
身体中に痛みが走る。
大男は無理やり体を持ち上げ、こう言った。
「俺に闘いを挑んだ。そう言う認識でいいか?」
大男からの殺意を感じた。それも巨大な。
奴の質問に答える様に頭突きをしてやったが、大男の頭の方が固かった。
クソッ、大男を睨み付ける。
「………………ふっ。」
大男が笑いやがった。
「勇ましいな。その調子で『フローラ姫』を守ってくれよ。」
そう言うと、村の中へ帰っていった。
「まったく、あんな無茶しちゃ駄目でしょ!」
縦ロールさんは心配してくれていたようだ。
「すみません……。」
「ま、まぁ、私のためにしてくれたんだし…………、今回は特別に許してあげるわよ。」
縦ロールさんは顔を赤くしていた。好感度が2上がった!
「そう言えば、あの人が最後に言っていたフローラ姫って誰なんですか?」
そう言うと、縦ロールさんは困った表情をした。
「わかった、教えてあげる。でも、知ったからって態度を変えちゃダメよ。約束よ?」
僕は素直に頷く。
「……契約成立ね。」




