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村へ
一晩たってようやく雨がやむ。この洞窟ともお別れだ。
僕がしみじみとした心で洞窟を見回す。
突然、縦ロールさんが騒ぎだした。
「見て!村よ!こんな近くに会ったなんて!」
縦ロールさんは子供のようにはしゃいでいた。
縦ロールさんが指差す所を見ると、確かに200メートルほど先に村が見える。
急いでテントを片付け、村のほうへ走る。
「…………は?」
縦ロールさんは驚て声を出す。
縦ロールさんの視線の先には、
百戦錬磨の猛将みたいな男の人が、村の前で仁王立ちしていた。
恐る恐る近付くと突然、
「ようこそシルバ村へ!この村ではみんなが平等に暮らしています。『権力や地位を笠に着て威張り散らした場合、この村から叩き出します。』それでは、中へお進み下さい!」
なんか、見た目と言動が違う。
縦ロールさんの方をみると、産まれたての小鹿のようになっている。
「ななな、何でオリバーがここに!?」




