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誰からも嫌われていた。
僕の顔を見れば、人々は驚愕する。
町を歩けば、人々は避ける。
話しかけようとすれば、人々は叫び、恐怖する。
昔からそうだった。
ただ昔はそれでも諦めきれなくて、必死に足掻いた。
人よりも多くの善行を積み、人を助け、神様にだってお祈りをした。
それが無駄だったことは、つい最近知った。
誰かが僕を殴った。その人は怒った顔をしていた。
その人に呼応するかのように、周りの人々は僕に襲いかかる。
僕を守る人は誰もいない。
友達はいない。生まれてから一度も出来たことがない。
両親はいない。僕を産んだ両親は、どのような顔をしていたのだろう。
僕を守る人は誰もいない。僕さえも
僕は自分を守らなくなった。
誰も守らなくなったこの身体はただ、彼らに痛めつけられるだけの肉となった。
自分の意識が遠くなるのがわかる。
瞼が重くなる。
世界が黒に染まる。
最後に見たのは、僕の身体を痛めつけていた人々の、正義感に満ちた顔だった。