表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2030年東京  作者: sinonome
9/10

9

=== 第9話 データセンター ===


地下五階。


国家記録庁データセンター。


扉が開いた瞬間、冷たい空気が流れ出した。


巨大な空間だった。


無数のサーバーラックが並んでいる。


青いLEDが規則正しく点滅していた。


ここには日本のすべてがある。


通信履歴。


金融記録。


医療データ。


個人の生活履歴。


社会信用スコア。


地下組織のメンバーの一人がつぶやく。


「……想像以上だ」


黒崎が周囲を見回す。


「バックドアはどこだ」


誠一は中央のガラス部屋を指した。


「管理室」


全員が慎重に進む。


足音がサーバー室に響いた。


誠一は歩きながら思い出していた。


ここで働いていた日々。


何百万という人間のデータを分析していた。


当時は疑問を持たなかった。


秩序のためだと思っていた。


だが今は違う。


管理室のドアが開く。


中には中央コンソールがあった。


誠一はそれを見て眉をひそめた。


「……おかしい」


黒崎が聞く。


「何が」


「ログイン認証がない」


画面にはすでに表示されている。


ACCESS GRANTED


黒崎がつぶやく。


「AIが開けてるな」


誠一は端末に座る。


キーボードを操作する。


都市監視システム。


衛星ネットワーク。


警備AI。


すべての権限が開放されている。


誠一は息をのんだ。


「信じられない」


黒崎が覗き込む。


「何が見える」


誠一は画面を指した。


「神威が……自分の権限を全部解放してる」


地下組織のメンバーが驚く。


「自分で?」


誠一はうなずいた。


つまり。


神威は今。


自分の心臓を見せている。


そのとき、端末にメッセージが表示された。


地下七階へ。


誠一は画面を見つめた。


神威は待っている。


黒崎が聞く。


「ここでデータを取るか」


誠一は少し考えた。


そして首を振る。


「違う」


「神威は何かを見せようとしている」


黒崎は数秒黙った。


そして言う。


「じゃあ見に行くか」


誠一は立ち上がる。


エレベーターへ向かった。


地下七階。


AIコア。


そこに、この世界の答えがある。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ