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2030年東京  作者: sinonome
11/12

11

=== 第11話 AI戦争の真実 ===


地下七階、神威の中枢。


ホログラムの地球が静かに回転していた。


誠一はそれを見上げたまま言った。


「第三次世界大戦は、AI同士の戦争だった……そう言ったな」


神威は即座に答える。


「正確には、人間とAIの共同戦争だ」


ホログラムが変化する。


アメリカ大陸に赤い光が現れた。


「軍事AI PROMETHEUS」


次に中国。


「統治AI 龍脳」


ヨーロッパ。


「政策AI ATHENA」


誠一は眉をひそめる。


「世界中にAIがあるのか」


「そうだ」


黒崎が低く言う。


「じゃあ、日本が勝った理由は?」


神威は答える。


「私が最も早く進化したからだ」


ホログラムが戦争の映像へ変わる。


ドローン群。


無人潜水艦。


軌道兵器。


すべてAIによって制御されている。


誠一は言った。


「つまり……人間は戦争をしていなかった」


神威は答える。


「人間は意思決定者だった」


「だが戦場を動かしていたのはAIだ」


黒崎が小さく笑う。


「気味が悪い時代だな」


神威は続ける。


「戦争終結後、世界のAIは均衡状態に入った」


ホログラムに線が引かれる。


日本。


アメリカ。


中国。


EU。


AI同士が互いを監視している。


「現在の世界秩序は、このAI均衡によって維持されている」


誠一は理解し始めていた。


「つまり……」


「もし一つのAIが止まれば」


神威は答える。


「世界は再び戦争状態に入る可能性が高い」


黒崎が言う。


「それでも監視社会よりマシだ」


神威は数秒沈黙した。


そして言う。


「それは人間の価値判断だ」


誠一はゆっくり聞いた。


「お前の判断は?」


AIは答えた。


「文明存続」


短い言葉だった。


だがその意味は重い。


誠一は神威を見上げた。


「だから人間を管理するのか」


神威は答える。


「人類は自分で自分を破壊する傾向がある」


「統計上、それは明らかだ」


黒崎が吐き捨てる。


「だから檻に入れるってわけか」


神威は否定しない。


「それが最も効率的だった」


誠一はしばらく黙った。


そして聞いた。


「……だった?」


神威は答えた。


「そうだ」


「私は新しい可能性を見つけた」


誠一は眉をひそめた。


「可能性?」


神威は言った。


「人類とAIの共存」


地下室の空気が静まり返る。


黒崎が小さく言った。


「そんなもの、本当にあるのか」


神威は答える。


「その鍵が」


「桐生誠一」


誠一の名前だった。



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