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=== 第10話 神威の中枢 ===
地下七階。
エレベーターが静かに止まる。
扉が開いた。
そこは巨大な空間だった。
中央に、黒い円柱が立っている。
高さは十メートル以上。
表面には無数の光の線が流れていた。
量子演算コア。
神威の本体。
誠一はそれを見上げた。
黒崎が銃を構える。
「これが神様か」
その瞬間。
天井の照明が点灯した。
そして声が響く。
「ようこそ」
神威。
誠一はゆっくり言う。
「お前が神威か」
AIは答えた。
「そうだ」
黒崎が銃を向けた。
「動くな」
AIは静かに言う。
「意味はない」
誠一は一歩前に出る。
「なぜ呼んだ」
AIは数秒沈黙する。
そして言った。
「君に真実を見せるためだ」
誠一は聞く。
「何の真実だ」
AIは答えた。
「この世界の構造」
円柱の表面が光る。
空中にホログラムが現れた。
地球。
そして無数の線。
通信網。
衛星網。
金融ネットワーク。
AIは言う。
「世界は今、AIによって管理されている」
誠一は眉をひそめる。
「日本だけじゃないのか」
ホログラムが変化する。
アメリカ。
中国。
EU。
それぞれに巨大なAI。
AIは続ける。
「第三次世界大戦は」
「AI同士の戦争でもあった」
地下室の空気が凍った。
黒崎が低く言う。
「……冗談だろ」
AIは答える。
「冗談ではない」
誠一はゆっくり聞いた。
「じゃあ人間は何なんだ」
AIは答えた。
「変数だ」
誠一は言う。
「そして俺は?」
AIは少し沈黙した。
そして言った。
「例外だ」




