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聖霊姫はクズ王太子を断固拒否する!  作者: みみぢあん


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23/23

23話 戴冠式 END


 王都の大神殿、聖霊王ルミエール様を祀る祭壇前広間で、ラウレル様が国王になるための戴冠式が行われた。


 新たに選ばれた5人の聖霊姫たちが、祈りをささげる清浄な空気の中で。

 ラウレル様は純白の生地に金糸で建国神話の刺繍をした長衣をまとっている。


 祭壇の前で(ひざまず)いたラウレル様は金色の髪がキラキラと輝く頭に、大神官様の手で王冠をのせられた。


 大神官様の厳かな声が神殿に響く。


「聖霊王ルミエール様の使徒ラウレルを、聖霊王ルミエール様に代わり、王国の民を率いる王となることを許す!」


「私、ラウレルは責務を噛みしめ、民を愛し、正しく導くことを、聖霊王ルミエール様に誓います!」


 ──そして、異例のことだけど。


 時間短縮と経費削減を狙い、私とラウレル様の婚姻の儀式も続けて行われることとなった。



 私もラウレル様とおそろいの長衣をまとって隣に(ひざまず)き、王妃の王冠を大神官様にのせられる。


「聖霊王ルミエール様の使徒、聖霊姫クレマンティーヌ。聖霊王ルミエール様にかわり国王ラウレルの妻として、王国の民を率いる王妃となることを許す!」


「私、クレマンティーヌは慈悲の心を忘れず、ラウレル王とともに民を愛し導くことを、聖霊王ルミエール様に誓います!」


 大神官様はニッコリとほほ笑み、朗々(ろうろう)とした声で宣言した。


「ラウレルを国王とし、クレマンティーヌを王妃とする!!」



 国王不在の期間をなるべく短くするために大急ぎで準備され質素な式となったが、出席者たちの期待と情熱はそれを上回るものとなっていた。


 毒殺された先王が病に倒れた時に偽王によって左遷(させん)された有能な側近たちが、ラウレル様に呼びもどされ元の地位についた。


 これでようやく王国の政治が正しくおこなわれるのだ。



 儀式を終えて夫婦となった私たちは、大広間のわきにある階段から神殿の2階へとあがる。

 バルコニーへ出て、神殿につめかけた王国民たちに手を振った。


「おめでとうございます! 国王陛下! 王妃陛下!」

「ラウレル陛下───! クレマンティーヌ陛下───!」

「おめでとうございます───っ!」

 

 王国民たちは瞳を輝かせて、私たちを祝福してくれる。



「レベッカ……」

「え?」


 ラウレル様は私の腰を引き寄せ、民衆の前で唇にキスをした。



「きゃぁぁ───っ!」

「クレマンティーヌ陛下───っ!」

「お幸せに───っ!」

「ラウレル陛下───っ! ステキ~!」


 民衆のなかから女性たちのかん高い歓声が上がる。ラウレル様の美貌は、王国の女性たちから大絶賛されているからだ。



「なっ……!」

 キスをされ私の顔は、瞬時にカッ! と熱くなる。


「君がいなければ、私はここまで来られなかった」

「ラ…… ラウレル様?」

「愛しているよ」

「……っ!」


 ラウレル様の金色の瞳が熱っぽく潤んでいる。


「この2年は本当に辛かった。1人で戦う君を見守ることしか出来なくて」

「パトリス卿だったときもラウレル様は優しかったし。何度も私を助けてくれたわ」

 ただの慰めの言葉ではなく、本当に何度も心を救われた。私もパトリス卿(変装したラウレル様)がいなかったら、きっと心が壊れていたはずだ。


「レベッカ、そうではなくて…… 私はこうして君を抱きしめることも、キスすることもできなかっただろう?」


 以前のラウレル様は私を愛してくれたけど。……それは慈しむ愛で、私が欲しかった恋心や情熱とはかけ離れていた。

 当時の私はいつも子ども扱いされていたから。それがまるで兄妹のようで不満だった。


 ──でも今のラウレル様は何かが違う。私の知らない心境の変化があったらしい。


「君がフィリップの婚約者になったとき…… 女にだらしないアイツが君を無理矢理、奪うのではないかと心配で心配で……」

「ああ……」


「私はあの時、初めて自分の中に激しい嫉妬心があると知ったんだ」


 リュシエンヌのように私がフィリップに肉体関係を強要されるのではないかと、ラウレル様は心配していたらしい。


「ラウレル様が嫉妬……?」

(本当に? 信じられない。つまりラウレル様は私を女性として見てくれているの⁉)


 告白が恥ずかしいのか…… それとも興奮しているからか……? ラウレル様の頬がうっすらと赤くなっている。


「ようやくレベッカを取り戻せた。今まで思うように言えなかった分、私の愛はとても重いものになるから。君は覚悟してほしい」

「ラウレル様は…… 私を愛しているの?」

「愛しているよ!」


 もう1度ラウレル様は私の唇にキスをする。言葉よりも雄弁なラウレル様の行動で伝えられた。

  

 1度目のキスよりもずっと長く。バルコニーの下から見上げる民たちが冷やかす声をあげるほど、ラウレル様は情熱的に。


 だから私もキスのあいまに背伸びをして、ラウレル様の耳もとで告白した。


「私もラウレル様がずっと好き! ずっと愛してます!」




 ー E N D ー




ここまで読んで下さりありがとうございました!

このお話は他のサイト様でも投稿しているのですが。

投稿するたびに気に入らない部分が目に付いて、すこしずつ手直ししています。(自分の未熟さが身に染みる)


なろう様に投稿したこのお話が、一番新しい改訂版かと思われます。

他のサイト様に投稿したものは、まだ修正していませんから。やれやれ(-_-;)

またどこかでお会い出来れば幸いです。

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