2杯目 お家コーヒー
昔からの友人達とのギャップに疲れた晴子は重い足取りで帰路につき、朝を迎える。
「はー。」
深いため息と共に目を開ける。
AM10時53分。まあこんなものか。
昨日の私の大学合格パーティーと言う名の飲み会から家に帰ったのは24時を過ぎてからだった。
お酒飲んで24時過ぎに家に帰るなんてまるで不良少女だな。
つくづく実家を出て良かったと思う。我が家は両親ともに学校の先生で躾に厳しい家庭だった。
小学生の時はゲームは1日30分まで。友達と遊ぶ時は17時には帰宅がルールだった。
「お前も先生になるんだぞ」
それが子供の時からの父の口癖だった。
中学の時には両親から地元の国立大学の教育学部に入れとの厳命を賜り、やりたかったバドミントン部にも入れず進学塾に通わされた。
まあ両親の思い通り上手く行くわけもなく、高校は両親の第1志望の地元で1番の女子高を落ち、4番目くらいの私立の女子高に入学した。
そして、きっとこのくらいの女の子にはよくあることで、両親への反抗心から軽音部に入りベースを振り回すことに夢中になり、無事大学受験は失敗した。
恐らく両親もこの頃には私の学力では地元の国立大学教育学部入学は無理と気付き始めたのであろう。教育学部があるマーチ以上なら入学を許すと方針転換が行なわれた。
そんなこんなでなんとか1浪して両親の希望通り教育学部のある大学に合格が決まった。
流石の父も、この片田舎から都内へ毎日2時間掛けて通うことはかなり厳しい、勉強が出来ないと言うと、渋々1人暮らしを認めたわけである。
顔を洗おう。
あんまり可愛くないなあ。
みんなのキラキラ具合に度肝を抜かれた。
そっか、メイクも覚えないとなあ。
『ピーーーーーー』
お湯が沸いた。さて、コーヒーを淹れて。
スマホを弄る。
【東京◯◯区アルバイト】
◯△■☓ 時給1500円
★△♡◯ 時給1500円
ズズズ。。。
ビールのホロ苦さよりコーヒーのホロ苦さの方が好きだな。なんてね。
生まれて初めてのアルバイト。
無難に近所のコンビニあたりがいいかなと思うけど意外と無いもんなんだなあ。
飲食店だけは絶対無理。居酒屋みたいな活気ある所は絶対向いていないし、スタバみたいなオシャレな所も絶対向いていない。そもそも落ちるだろうし。
□■△◯ 時給1500円
ん!?
Bar DIANANT 時給2000円
◯◯区△△町□□
☓☓☓-☓☓☓☓
めっちゃ近所だ。しかも時給良い!
でもバーかあ。なんな怖いなあ。
ちょっと詳細見てみよう。
【紹介制オーセンティックバー】
◯◯ホテルでトップバーテンダーを務めたバーテンダーがオープンして3年目になります。
紹介制バーでラグジュアリーな客層です。
長年ホテルでアルバイト教育をしていた経験もあり、初心者も丁寧に接客を教えます。
業務内容
皿洗い、接客、簡単な料理補助
アルバイトがお酒を作ることはありません。
賄いあり。
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んー。多分歩いて5分くらいかあ。しかも賄いありかあ。気になる!写真見た感じ雰囲気めちゃくちゃ良さそうだし、居酒屋みたいな感じにはならなさそうだなあ。
後で夕飯買いにスーパー行く時に覗いて見よう!




