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人喰い天使と異世界征服計画  作者: 甘語ゆうび


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14/20

神様よりも

「ひっく、ひくっ⋯⋯。うぅ⋯⋯」


 レレルの全裸を見てしまった私は、ミレヴァラさんに抱きしめられていた。そして、その胸の中で今も泣いている。


「よーしよし。見たくもなかったのに、急に男の人の裸を見せられるのは辛いわよねぇ」

「そんな泣くこと?シャナだって男の裸くらい見たことあるでしょ」

「んなもんあってたまるかボケェ!価値観っていうか、マナーどうなってんのアンタ!」


 今は服を着ているが、ケイロンさんのシャツはレレルには少し大きかったらしく、ダボダボになってしまっている。萌え袖を顎に当てて考え込む仕草は、計算してやっているのかと疑う程あざとい。


「そうは言っても、僕まともに学を得たのシュヴィのとこ入ってからだし。それまで特殊な環境で育ってきたから、人間の基準でものを喋られても分からないよ」

「んじゃ今覚えて。恋人でもない男女が裸を見せるのはマナー違反なの!分かった!?」


「ふーん?なるほど、それじゃあ⋯⋯」


 なにを思いついたのか、レレルは距離を詰めてきて、私の手を取って指を絡めてきた。


「恋人同士になったら見せてくれるの?」

「はぁ!?」


 頭の中では速攻で叩いたその手を、現実では振りほどくことが出来なかった。それどころか、あらぬ想像までしてしまう。


「う、あ⋯⋯。あ、いや!なんで私が見せる前提なわけ!?絶対見せないから!」

「えー?それは残念」

「残念がるんじゃない」


 沸騰した頭が冷静になってきたお陰で、私はレレルの手を抜け出すことが出来た。


「ふふ。そうだ二人とも。今日はどうする?今日はもううちで寝るでしょ?遅いし」

「そうですね。でも、その先はどうするか、まだ考えてなくて⋯⋯」

「なら、暫くはうちにいたらいいわよ」

「いいんですか!?」


 ミレヴァラさんの提案に、私は身を乗り出して声を上げてしまう。今まで突き放されてばかりなせいで、久しぶりにまともな人の温もりに触れた気がする。


「えぇ。うちは問題無いわよ。ね、ケイロンさん」

「勿論。元々、レレルは私達の家族みたいなものだかね。それなら、シャナさんも家族ですよ」

「あ、ありがとうございます!正直、行くところも無かったので助かりました。それじゃ、暫くお世話になりますね」

「さて。それじゃ、今日はお祝いということで、夕御飯はカレーにしましょうか。それに、こちら側は、色貴女に話さなくてはいけないことがたくさんあるので」

「え?は、はい。分かりました⋯⋯」


 ***


 カレー作りの間、私とレレルはミキの遊び相手を任されることとなった。しかし、元々子供の世話は得意な方ではなかったこともあり、カレーが出来上がる頃には、私はもうへとへとになってしまっていた。しかし、そんな疲労も、手作りカレーを前にすれば吹き飛ぶものらしい。


「おー!」


(生の手作りカレーだなんて久しぶり!めっちゃ美味しそー!)


 前世では、引きこもりだったせいで冷えた食事ばかり食べていたせいで、こんな出来たての手作りカレーを最後に食べたのがいつだったかも思い出せない。


 誰かと食卓を囲み、「いただきます」と言って手を合わせるのも、随分と久しぶりだ。温かい雰囲気が、食卓を囲んだまま、私達は食事を終えた。


 そして、ミレヴァラさんがミキを寝かせにいったのを見てから、ケイロンさんが真面目な顔で話を切り出す。


「⋯⋯さて、シャナさん。貴女は、異世界から来たそですね」

「あ、はい。前世で死んで、気付いたら王宮にいて、何故か追放されて、今に至ります。まぁ、その間に、処刑宣告とか色々あったんですけど⋯⋯」

「なるほど。それじゃ、我が国の派閥については知らないですかね?」

「派閥?」


 私は、ジルクの会話を辿り、派閥という言葉を探す。しかし、そんなものは見つからなった。


「⋯⋯すみません。分かりません」

「では、説明しましょう。派閥というのは、『魔法とはこうあるべきだ!』と、方針を掲げている組織のことです。一種の宗教とも言えますね。そんな組織が、町ごとに存在しているんです。市民は基本的に、その町の組織に所属していることになります。本人の意思には関係なく。まぁ、我々が居る首都は特殊で、色んな考えの者がたくさんいるんですが、うちはどこにも所属はしていません」


『我々は、どこの組織にも属していない、ただの喫茶店ですから』


 ケイロンさんのその言葉が脳裏に過ぎる。どの組織にも所属していない、というのは、こういうことだったのか。


「⋯⋯なるほど。もし、所属したらどうなるですか?」

「ものによりますね。過激なものだったら、生活がまるまる変わってしまう恐れもありますし、ただ祈りを捧げるだけ、とかのものもあります」

「⋯⋯なんだか、本当に宗教みたい」

「そうですね。この国に限らず、この世界では、神より魔法が信仰されている節がありますから、そう思うのも当然のことです」

「⋯⋯そう、なんだ」


 神よりも魔法が優先される世界。ファンタジー過ぎる話に夢を見ているような気分になってしまう。


(⋯⋯いっそのこと、本当に夢だったらいいのに)


よければ、ブクマや評価、リアクション等お願いします。一言の感想だけでも、作者のモチベになります



私事ですが、今日誕生日でした!20歳です!初お酒です!これからも頑張ります!いぇい!

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