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第85話 再び死の森へ

 何故だろう。

 この状況を誰か説明してほしい。

 朝食を食べようと準備をしていたら、玄関ドアがノックされた。

 いつものように大工の皆さんがやって来たのかと思ったのだが、尋問官の人がやってきた。

 そして、俺に朝食を分けてくれないかと言ってきたのでお断りしたのだが、何故だか俺の家に居座っているのである。

 どうして朝食を食べたいのかと聞いてみたら、大工の皆さんが俺の家で出される食事が美味しいと言っていたらしく、俺の料理を食べてみたくなったんだとか……。

 しかも最近はルノたちとも仲良くしているらしく、彼女たちが勝手に家の中へ招き入れた。


「今日だけだぞ」


「ケチ」


 この尋問官は最近口が悪くなっている気がする。

 今日の朝食はハムエッグだ。

 ハムはオークの肉を使って、鶏は野生の鶏を捕まえて飼っている。世話はルノやカミュたちが行っている。あとはパンを焼いたのでそれを食べる。


「美味しい!」


 フードを取れば良いのにいくら言っても取ろうとはせずに、彼女は被ったまま朝食を食べている。


「いつもこんな美味しいのを食べているのはズルい」


「ズルいも何もないだろ。味にこだわらない奴らが悪い」


 フード越しからでも頬を膨らませているのが分かる。


「今日は何をするつもり? また畑仕事でもするの?」


「別に遊んでいる訳じゃないんだから……と言うか、お前には関係のない話だろ」


「村長が遊んでたら困る」


「俺は村長じゃねー。村長はアーノルドだろ」


 村長を決める際、俺になってもらいたいと皆は言ったが俺が断ったため、次に候補としてあがったのがアーノルドだった。

 皆は俺にお願いは無理だと分かった途端にアーノルドを持て囃して村長にした。


「何で断ったの?」


「村長ってガラじゃない。俺は自由に行きたいの!」


「――そう」


 尋問官だけあって、俺が嘘を言っているのかいないのか分かっている。


「今日はジョアンさんところに行って車の整備かな」


「くるま?」


「大工さんたちを載せてきた奴があったろ。それだよ」


「あの鉄でできた箱の乗り物……くるまって言うの?」


「そうだよ、原動力は魔力だ。魔石を使って動かして居るんだよ」


 尋問官の女性は分かっていないのか「へー」と軽く言った。


「ご主人さま、今日はシンジュクの町へ行かれるのですか?」


 ルノが聞いてきたので俺は頷いた。


「そうだよ、飯を食い終わったらシンジュクの町へ行くぞ」


 三人は返事をした……が、何故か尋問官も返事をした。

 食器を片付けて荷物をまとめていると、尋問官の女性はボケっと見ていた。もしかしてついてくるつもりなのか?

 三人が荷物をまとめ終えると手を繋ぐ。何故かそれに尋問官も手を繋いできた。

 まぁ……里帰りと言うか、自分の家へ帰らせた方が良いだろう。

 俺はテレポートの魔法を使いシンジュクの町入り口へとやって来ると、尋問官の女性は驚いた声を上げた。


「ほら、冒険者ギルドまで送ってやるから付いて来いよ」


「……うん」


 なんだか元気が無いようにみえる。

 それからしばらく歩き、彼女を冒険者ギルドへ連れて行くとラインハルトのオッサンが出迎えたが、様子がおかしい。


「ナサリ!」


 こちらに気が付いたラインハルトのオッサンが、誰かの名前を呼んだ。ナサリって誰だ。


「……ラインハルト」


 どうやら彼女の名前がナサリと言う名らしい。だが二人の様子がおかしい。


「どうやって……シノミヤ!」


 俺に気が付いて無かったのかよ……。

 ゆっくりとラインハルトのオッサンに近付いていくナサリ。顔が見えないから何を考えているのかさっぱり分からない。


「忘れ者を届けに来たぜ」


「ナサリ……ここに居ると言うことは、シノミヤは……」


「……勇者じゃなかった」


 ナサリは俯いている。

 後ろから見るナサリはまるでお使いを失敗した子供のようにみえる。


「……シノミヤは勇者じゃ無い! 勇者じゃ無かった!」


 何故にそこまで勇者にこだわるんだ?


「何であんた等はそこまで勇者にこだわるんだよ?」


「ここで話す内容じゃない。ギルドの中で話をしよう」


 ラインハルトオッサンに連れられ、俺たちはギルドの中へ入った。それから別室へ案内された。

 室内にはソファーが二つにテーブルが一つ。まるで応接室のような部屋だ。

 俺はソファーに腰かけるよう言われたので座る。ルノたちはいつものように俺の後ろに並んで立っている。


「それでどうして勇者が必要なんだ?」


「……死の森にいる四天王を仕留めてもらいたくってな」


「死の森の四天王? あぁ……カワサキにいる奴のことか。名前はター……なんとかだっけ?」


 たしか名前はターンってやつだった気がするが、思い出せない。


「四天王の一人、ターレ。奴がいるおかげで王国はサイタマからの侵略に対して軍を動かすことができない状態なんだ」


「討伐だけなら別に勇者じゃなくても構わないじゃん」


「相手は魔王軍四天王だぞ! そこらの魔物とは話が違うんだ! そんな簡単に倒せる相手じゃないんだぞ」


「別に俺は勇者じゃないが、俺のスローライフを邪魔するのなら始末してやるよ。だが、ちゃんと報酬は貰うけどな。じゃあ、そういう事で。先ずはジョアンさんのところへ行って車の整備をしなきゃならねー。サイタマのゴミ掃除を依頼するのならそっちを優先してやるし、カワサキのゴミ掃除が先ならそっちを優先するどっちかを選べ。あと、勇者は探すんじゃねー。育てるんだよ」


 唖然としているナサリとラインハルトのオッサンを尻目に俺は立ち上がって部屋を出ていく。その後をルノたちが追いかけてくる。


「ご主人さま、どちらを解決するんですか?」


 ルノが質問してきたので「言われた方かな」と答えてジョアンの屋敷へ向かった。

 ジョアンの屋敷に到着してトラックを確認したのだが、今回はタイヤ交換だけでよさそうだ。

 レーシングカートに関しても同じでタイヤ交換だけして作業完了。

 半日も経たずに作業が完了したので、先ずは死の森へと向かいリリアのレベルを上げることにした。

 リリアは初めて自ら戦いに出る。緊張した表情をしていたが、ルノやカミュがいるからそこまで不安になる必要はないと思うぞ。

 案の定、優しいルノがスナイパー魔導ガンで動きを止め、動けなくなった魔物にトドメの一撃をリリアが入れるという簡単な作業を繰り返していた。


 ステータス※奴隷

 名前:リリア 年齢:16歳

 種族:獣人ハーフ

 冒険者ランク:Eランク アイアンプレート

 ポイント:40

 Lv(レベル):10

 HP:88

 MP:16

 STR():49

 AGI(敏捷):62

 DEX(器用):28

 VIT(生命):82

 INT(知性):16

 忠誠心:70

 【魔法】生活魔法(清掃・掃除)

 【スキル】剣技レベル5


 名前:ルノ 年齢:19歳

 種族:獣人ハーフ

 冒険者ランク:Bランク シルバープレート

 ポイント:299

 Lv(レベル):41

 HP:377

 MP:71

 STR():278

 AGI(敏捷):237

 DEX(器用):229

 VIT(生命):324

 INT(知性):83

 忠誠心:100

 【魔法】生活魔法(清掃・掃除)

 【スキル】剣術レベル10・射撃レベル15・毒耐性5・麻痺耐性5・料理レベル3・弓レベル3


 リリアの伸び率が思ったよりも高い。これはルノよりも強くなるかもしれない。

 今回カミュは見ているだけで、少し暇そうにしていた。

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