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第83話 ご返却するの?

 あの砦からカミュはリリアに毎日稽古をつけており、俺とルノはカミュがやり過ぎないように見守っていた。

 時折ルノが変わって訓練をしてあげるのだが、本人のヤル気が感じられず目が虚ろな状態だった。唯一目に生気が宿ったのは食事の時間になったときである。

 元気なのは食事の時だけで、それが終わったら元気がなくなり部屋に籠もる。

 夜の伽はルノとカミュが変わり番こにやってくる。夜の世話はお願いなんてしていないのだが、二人がどうしてもと言ってくるので仕方なくお願いしているのだ。


「——どうしたんスか?」


 今日の当番はカミュだったらしく、俺の部屋のベッドで寝そべりながら聞いてきた。


「カミュはどうしてそんなにリリアを鍛えようとするんだ?」


「へ? そりゃ冒険者をやっているッスから、強くならないと意味がないっス。それにご主人さまの奴隷なんスから夜伽をするのだって当たり前なんス。それを教育しているだけっス」


 強くなるのは構わないけど夜伽までは必要ない。現状で十分すぎる。


「カミュ、明日から訓練をしなくても良い」


「ふぇ? 何ででスか?」


「俺にはお前たち二人が居るから夜伽の必要は無い。それに、やる気のない奴を鍛えるだけ無駄だろ」


 そう言うとカミュは俺の背中に飛び付いて、耳を舐めてきた。


「ご主人さま、今日も可愛がって欲しいッス……」


 その夜はカミュと熱い夜を過ごした。

 翌朝、カミュは珍しく朝食の手伝いをしてくれた。理由は分からんけど……。


「ルノ、今日からはリリアの訓練をしなくていいぞ」


 訓練の必要が無いと言われ、満面の笑みを浮かべるリリア。


「へ? どうしてですか? ここは魔物が現れるから訓練が必要だと思われますよ?」


 不思議そうな顔をして俺を見てくる。

 理由は簡単である。


「仕事をしようとしない奴は返品するから。やはり同情するのは良くない。俺は夜伽は必要ないと思っているけど、冒険者として最低限の能力は身に付けてほしかった……けど、その能力を身に付けようともしないし、家事全般の手伝いもしないのなら、俺には必要ないだろ? 鉱山とかで頑張ってくれれば良いだけの話だ」


「そう言うことなら仕方がありませんね。私としては別に構わないですよ。食費も浮きますからね!」


 俺たちの会話について行けてないのかリリアは目を見開き動きを止めている。


「いつ頃返品しに行かれますか? ジョアン様のことですから別の人を売り出そうとしますね」


 そうだなー。次は真面目で頑張りやが良いな……。


「ちょ、じ、冗談……ですよね?」


 リリアが話に割り込んできた。


「――本気ッスよ。ご主人さまはそう言うところはドライッス」


 食事の手を止めてカミュが宣告する。そこまでドライではないが、一度やった事があるので二度やっても変わらないだろ。


「ちょ、ちょっと待ってください! 訓練もしっかりやります! 家のこともやりますから返品だけは!」


「言うのは簡単ッス。今朝起きるのが一番遅かったのはリリアッス。そんな奴の言葉を信用しろと言うんっスか?」


「い、今から変わりますから! 私は変われますから! 信じてください!」


「それを決めるのはご主人さまっス。ルノ先輩と私はそれに従うだけっス」


 ステータス画面を開き、リリアの忠誠心を確認するのだが今のところ変化はない。

 少しの間だけ猶予を上げても良いのかもしれないが、どうするか……。

 そんなことを考えていたら、リリアはすごい速さで食事を終わらせて外に出ていく。そして木剣を手にして素振りを始めた。最初っからそうすればこんな話をしなくても良かったのに。

 しばらくしてリリアはカミュに剣の稽古をお願いしてきたのだが、カミュは「洗濯をするから無理っス。先輩に聞いてほしいっス」と無下に扱う。その言葉を聞いてリリアはルノにお願いしに行くと「食器の片づけとかあるから無理」と一蹴。オロオロするリリア。


「取り敢えず腕立て伏せでもやってなよ。俺が見ててあげるよ」


「も、申し訳ありません! すぐに始めます!」


 外に行くのかと思ったが目の前で腕立て伏せを始めるリリア。するとカミュが「外でやれっス」と言ってきた。リリアは返事をして外へ向かい、庭に出ると腕立て伏せを始めた。

 20回くらいやったところでリリアは力尽きたので、俺はリリアの頭にポーションを降りかける。


「ほら、これで続けられるだろ」


 体力が回復したと思わたリリアは絶望に満ちた目を俺に向けてきた。まるで助けを乞うかのように……。

 手は最初に差し伸べているがそれを握るかはリリア次第であった。だが、俺が何も言わないことをいいことに、だらけてしまったのはリリアである。


「どうしてそんな目をしているんですか?」


 食器の片付けが終わったのかルノがやって来て言う。


「ご主人さまが腕立て伏せと言ったら続けるのが当たり前ですよ?」


 リリアは返事をして腕立て伏せ開始するのだが、数回やっただけで力尽きる。だが、いつものように諦めた表情はせずに続けようとしているため、ルノがポーションを飲ませるとリリアは立ち上がるまで回復した。


「次は剣の稽古です」


 そう言ってルノは木剣をリリア渡し、ルノも木剣を手にして構える。


「さぁ打ち込んできてください!」


 リリアは普段よりも声を上げてルノに向かって木剣を打ち込むのだが、ルノは軽々と受け止める。

 このような日々が数日続き、ようやくリリアステータスに剣技レベルがついたのだった。

 その夜はルノが俺の部屋に来ており、ベッドに腰掛けていた。


「ご主人さま、リリアはどうなされますか?」


「今のところはこのままだね。返品するつもりはないかな」


「了解しました!」


 ルノは嬉しそうにしていた。この日は激しかった。


 ステータス※奴隷

 名前:リリア 年齢:16歳

 種族:獣人ハーフ

 冒険者ランク:Eランク アイアンプレート

 ポイント:0

 Lv(レベル):0

 HP:11

 MP:2

 STR():12

 AGI(敏捷):11

 DEX(器用):2

 VIT(生命):9

 INT(知性):5

 忠誠心:50

 【魔法】生活魔法(清掃・掃除)

 【スキル】剣技レベル1


 よく見たら力や生命も上がっているしHPも上がっている。しかもだ、忠誠心がもとに戻った。

 翌日からリリアを鍛えるために実戦やらせることにしたのだが、ゴブリン程度でも苦戦する可能性がある。慎重に相手を選ばなければならない。

 そう思っていた時期が僕にもありました……。リリアの実戦は思っていた以上に早くやって来た……と言うか、俺がトイレに行っている間、庭にゴブリンが現れたらしく、カミュが戦うよう強要したみたいでカミュがゴブリンを羽交い絞めしているところをリリアが斬り裂いたようで、レベルが上がっていた。


 ステータス※奴隷

 名前:リリア 年齢:16歳

 種族:獣人ハーフ

 冒険者ランク:Eランク アイアンプレート

 ポイント:10

 Lv(レベル):2

 HP:22

 MP:3

 STR():19

 AGI(敏捷):22

 DEX(器用):8

 VIT(生命):22

 INT(知性):6

 忠誠心:50

 【魔法】生活魔法(清掃・掃除)

 【スキル】剣技レベル1


 これでポイントをMPに割り振れば、魔導ガンを使うことが可能になる。


 ステータス※奴隷

 名前:リリア 年齢:16歳

 種族:獣人ハーフ

 冒険者ランク:Eランク アイアンプレート

 ポイント:0

 Lv(レベル):2

 HP:22

 MP:13

 STR():19

 AGI(敏捷):22

 DEX(器用):8

 VIT(生命):22

 INT(知性):6

 忠誠心:50

 【魔法】生活魔法(清掃・掃除)

 【スキル】剣技レベル1

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