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第77話 都を出る

 その夜、俺たちは雑魚寝をしていると、外から大きな音で目を覚ました。

 何ごとかと思いながら外に出てみると、さっきのジャイアントボアの仲間と思われるジャイアントボア数匹が石垣を壊していた。

 急いで武器を取り出してジャイアントボアを始末するのだが、被害は家まで及んでいて住める状態ではない。

 一先ず休める場所へ行くことにしてテレポートの魔法でトウキョウ都の家に戻り各自の部屋へ戻って眠りについた。

 翌朝になってやる気が起きず部屋でダラダラしていると部屋のドアがノックされて返事をしたらルノが手紙を持ってやってきた。

 どうせパーティーの誘いだろうと思っていたら、死の森ついてどうなっているのか報告しろとのことだった。

 マリーに必要があるのか確認すると、騎士爵になったのだから必要だと言われてしまったので、仕方なく俺は王宮へ出向くことになった。

 一応王都にいるので馬車が迎えに来るのかと思ったが、自力で行かなければならないらしく、しょうがないので車を取り出して王宮へと向かった。

 王宮へ行くと直ぐに謁見の間に案内され王様とご対面。マリーもかしこまった態度を取っているため俺も真似るようにして片膝立てをして頭を下げると、王様は「面をあげよ」と言ってきた。

 先ずは説教からスタート。ギルドで暴れたことと貴族の三男をボコったこと。俺が悪いわけではないのに何故に怒られなければならないのか分からんが、黙ってお説教を聴いていた。

 説教は三十分ほど続き、いい加減長いと思い言い返すことすると、ジルマールが怒鳴り俺の言葉を遮った。

 それに腹を立てた俺は立ち上がり文句を言うことにした。


「喧嘩を売ってきたのは向こうなのに何で俺だけが怒られるんだよ! そんだったら騎士爵なんて要らねー。返上してやるよ。おい、お前ら帰るぞ! 俺は死の森について話があると言われてきたのに、その話をする気がないならこれ以上ここにいる意味はない」


 周りが何か言っていたが俺はその言葉を無視して王宮を後にして、家に戻って荷物をまとめるように指示をした。その後に不動産屋へ向かい家を売っぱらってシンジュクの町へとやって来た。

 シンジュクの町から少し離れた場所へ行き、そこに家を建て始める。初めは渋っていたマリーだったが、王宮からのしがらみが無いと言ったら張り切って手伝い始める。

 マリーは相変わらずお濠を掘り始めるが先日のジャイアントボアの襲撃を考慮したのか濠を深く掘っていた。先ずは排水設備と水である。給水装置を作らなければならないためカミュが近くの川まで水路を掘る。ルノはホースを繋げて水の通り道を確保して濠に流し入れ、浄化装置は俺が魔石を使って作る。

 濠に水が流れ込む。次は柵を作り始めようとしたが、石垣のようなものだとジャイアントボアのような巨大な魔物が来ても大丈夫なように城壁に、桟橋をかけて濠との間に道を作る。

 次は基礎造りだが、これは土魔法でどうにかなる。配筋作業を行い排水や給水管を取り付け基礎のコンクリートを流し込んだあと魔法でコンクリートを固め、基礎の上に木材で枠組みして根田を敷き詰めていき断熱材を間にはめ込んで床ベニアを張っていく。

 ベニアを張り終えたら建方工事である。プレカットされた木材を組み立ていき二階まで一気に作り上げると、日が暮れ始めていた。

 今日の作業はここまでとして仕留めたジャイアントボアを解体していき、肉をステーキサイズに切り網の上で焼く。肉の管理は小躍りをしているルノに任せて俺は醤油をベースとしたステーキソースを作り……。醤油は塩を手に入れた時に味噌作りに着手しておりその際に醤油も手に入れているのだ。

 野営をして夜を明かす。

 翌朝から作業を再開する……前に、まずは朝食である。朝食はサンドイッチで簡単に腹を満たしたある。

 今日は屋根作りである。これはジョアンの屋敷でやったよう垂木に防水シート屋根材使って作っていき窓にサッシを取り付ける。ガラスは直ぐに割られても困るからクリスタル。サイディング作業はルノに任せ、俺とカミュ、マリーの三人で室内の作業を行う。断熱材にボード張りクローゼットやトイレの設置などを行

いキッチンやお風呂を設置してある程度完成。

 ここが我らの家となる。

 シンジュクの町から近いところだから魔物もそんなに強いわけではない。

 町への移動手段として、三人にレーシングカートを渡すと、初めて乗るルノはカミュやマリーに習うのであった。次は道を作る作業になる。獣道では車が走らさせれないので道の改良が必要になる。

 馬車1台が通れれば問題ないので取り敢えず三メートルほどの道を作れば良いだろう。

 大木を伐り倒し道を作ること三日、ようやく街道と繋がり道が出来上がった。これでレーシングカートがすれ違えるだろう。

 家道が出来上がりようやく拠点が出来上がった。

 それからしばらくの間、家でまったりしていたら人の気配と魔物の気配がした。場所は森の中で、ここから結構距離がある。数は人が一に魔物が四。


「ご主人さま、魔物と人の気配ッス!」


 外でルノとマリーの二人を稽古していたカミュが慌てて家の中に入ってきた。


「気が付いてるよ。取り敢えず助けに向かうか」


 気配がする方向に向かって四人で向かう。すると、冒険者らしい女性がオーク四匹を相手に戦っていた。だが、状況はピンチそのものである。


「ここから狙えるか?」


「やってみます!」


 ルノたちに渡してあるのは小銃タイプの魔導ガンのため、遠距離で狙うのは難しいが、『必中』が付いているためどこかしらには当たるだろう。

 銃を構えて狙いを定めると、ルノはトリガーを引く。すると弾丸はオークの脚に当たって一匹倒れる。しかし、残りは三匹いる。何がおきているか分からず戸惑っているオーク。だが、戸惑っているのは女性冒険者も一緒だった。気にせずに逃げれば良いのに……。

 その間にマリーとカミュが追い付き、オークを引きつける。


「大丈夫? 怪我は無い!」


 剣を構えてオークと女性の間に入って言った。すると、女性冒険者は驚きのあまりなのか尻もちをついた。

 カミュは何も言わずにオークの首を斬り裂き、次のオークの足を斬り裂いた。

 追いついた俺は最後の一匹の首を斬り裂き、カミュが足を斬り裂いたオークの首に剣を刺した。マリーはルノが仕留め損ねて倒れているオークの首に剣を突き刺した。


「大丈夫っスか?」


 尻もちをついている冒険者に手を差し伸べるカミュ。それに掴まって立ち上がった女性冒険者。


「だ、大丈夫……。貴方たちはいったい……」


「私たちはあっちの方で暮らしている冒険者。それで、アンタは?」


 オークをストレージに仕舞っているとマリーが女性冒険者に質問をした。


「――わ、私は……ミルフィー」


「ミルフィーさんね。どうして一人でオークなんかに追いかけられてるんだ? ここの森は初心者にはキツイだろ」


 怯えた表情で頷いているミルフィー。このままでは話も満足にできない。


「マリーにカミュ、彼女を家に連れて行くぞ。説得してくれ」


 俺が何を言ったところで話を聞いてもらえるはずがない。女性には女性が話すのが一番。

 俺はルノがいる場所まで戻ると、ルノは周囲を警戒するように銃を構えていた。


「ルノ、終わったよ。家に戻るぞ」


「了解です! 戻りましょう」


 ミルフィーのことはカミュとマリーの二人に任せ、俺とルノは先に家へと戻っていった。

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