第67話 ビッグホーネット
この日はゴブリンを10匹ほどマリーの手で始末することができた。すべて遠距離攻撃だとしても、マリーの実力で仕留めることできたのである。
レベルも0から3に上がっており、マリーはようやく魔法を覚えるだけのポイントを手に入れることができたのである。
ステータス
名前:マリー ※マリエル=フォン=テンノウ
年齢:16歳
種族:ヒューマン
冒険者ランク:Dランク ブロンズプレート
ポイント:15
Lv:3
HP:22
MP:16
STR:14
AGI:14
DEX:10
VIT:18
INT:12
【スキル】剣技レベル2・射撃レベル2
ポイントを10使って生活魔法を覚えさせた。
ステータス
名前:マリー ※マリエル=フォン=テンノウ
年齢:16歳
種族:ヒューマン
冒険者ランク:Dランク ブロンズプレート
ポイント:5
Lv:3
HP:22
MP:16
STR:14
AGI:14
DEX:10
VIT:18
INT:12
【スキル】剣技レベル2・射撃レベル2
【魔法】生活魔法(清掃・掃除)
「マリー、取り敢えずお前に魔法を授けてやる。先ずは生活魔法の清掃と掃除だ。使い方はルノとカミュに教えてもらえ」
「私が魔法を? 嘘ですよね?」
「本当だ。俺は仲間になった奴のステータスを見ることや弄ることができる大魔法使いだ」
「そうなんですよ! ご主人さまは大魔法使いなんです! 古代魔法なんかも使える凄い魔法使いなんですよ!」
古代魔法なんて使った例はないが、テレポートの魔法が古代魔法というのだからおかしな話だ。
今日は都へ戻り、明日の朝に冒険者ギルドへ行くことにして今日は家へ戻ることにしたが、マリーは興奮が冷めないようで外で素振りをしていた。
それにつきあわされるカミュが気の毒であったが、少しずつだがマリーが打ち解けてきたのに喜びを感じているようだった。
食事の時間になりルノが呼びに行くと、マリーがカミュに木剣で勝負を挑んでいたが、カミュは余裕で捌いていた。
夜は自由時間だが、マリーは魔法の使い方をルノとカミュに習う。本来ならば詠唱が必要になるはずだが、俺が魔法を覚えさせると詠唱が必要なくなるのだが、その理由だけは分からなかった。
翌朝になりマリーは珍しく寝坊をした。昨日は夜遅くまで魔法の練習をしていたからだろう。
カミュに起こすよう指示してルノと一緒に朝食の準備をすると、マリーは寝ぼけているのか服を反対に着て部屋から出てきやがった。
「おはようございます、師匠……ふぁぁ……」
「マリー服が反対だ。カミュ、寝坊助の服を直してやれ」
「う、ウッス! 姫様、こちらへ来るッス」
無理矢理カミュが腕を引っ張り部屋に連れ帰る。
それからしばらくして着替えさせられたマリーがやって来て、昨日手に入れた魔石を眺めている。
「実感が湧かないのか?」
「いえ、魔石を見たら再び実感が湧いたというか、なんというか……本当に冒険者になれたんだと思いまして……」
「本当にマルクスって奴は何を教えてやがったんだ?」
「うーん、実戦のことは全く教えてもらえなかったわ」
本当にクソ野郎だな。
朝食を食べ終え、冒険者ギルドに向かいマリーは初めて自分の手で魔石を提出して報酬をもらう。銀貨には届かなかったが、一人でできることに喜んだ。
その後はいつもと変わらずに剣の稽古を付けてやるのだが、今回は三人で俺を相手にする。
とにかく剣を振ってくるマリーだが、カミュは多少考えて剣を振っている。ルノはタイミングを計って攻撃をしてくるが、俺は三人を容赦なく叩きのめした。
午後は何か依頼がないかと確認するとゴブリンが村の畑を荒らすという依頼があり、俺たちはその依頼を受けることにした。村は馬車で30分ほどの場所にあるらしく、俺はストレージから車を取り出して乗り込むのだが初めて車を見るマリーは恐る恐る車に乗り込んだ。
車を走らせるとマリーは「馬がいないのに荷台が動いてる!」と騒ぎ立てる。
「ご主人さまは大魔法使いですからね。馬がいない馬車を走らせることなんて序の口ですよ!」
自慢げにルノは言うがこれは魔法ではない。いちいち説明するのが面倒だから黙っておく。
車を走らせること15分。車は馬車よりも速いため半分の時間で村に到着することができ、俺たちは村長に話を聞くことにした。
実際のところ、困っているのはゴブリンだけではなくてビッグホーネットにも悩まされているとの話で、近くにビッグホーネットの巣ができており、村の人たちはゴブリンとビッグホーネットの二つに悩まされていたというのである。
「どうしますか師匠」
「村のことを考えると両方仕留めた方が良いだろう。マリーやルノたちの経験にもなるしな」
いやそうな顔をするルノだったが、マリーはやる気に満ちた目をしている。いろいろな経験ができるのが嬉しいのだろう。
「姫様、ビッグホーネットってどんな奴かご存じなのですか」
いやそうな顔を顔をしながらルノがマリーに聞く。
「ホーネットっていうくらいだから蜂なんでしょ?」
「そうなんですが、奴らは数が多いんですよ。しかも嫌な音を発しながら迫ってくるです」
「音?」
「羽の音ですね。ただの蜂だけで嫌な音なのに、あいつらは大きいですから……」
あまりピンと来ていないのかマリーは首を傾げていたのだが、この後ルノが言っていた意味を理解するのであった。
「ちょ、ちょっと何なのよ! この数は!!」
必死で走って逃げるマリー。カミュとルノの二人は宇宙服のような防護服を身にまとっていたが、マリーはカッコ悪いと言って防護服を着ていなかった。
カッコ悪くても安全が一番大事。俺も同じように防護服を着ており、飛んでいるビッグホーネットを撃ち落していく。マリーは必死で逃げ惑っていた。
一時間もしたら数もかなり減っており、マリーは俺がストレージから取り出した車の中へ避難しており、車の中でぐったりとしていた。
ビッグホーネットの攻撃方法は二つ。毒針による攻撃とハサミのような口で噛み切ってくるだけだが、それで人を殺せるのだから厄介である。
俺達に毒は効かないが針の攻撃はダメージを受けてしまうが、俺にはノーダメージ。守備力が高すぎるからである。しかし、ルノとカミュはそういう訳にもいかない。
更に一時間ほどしてビッグホーネットの巣に近づくと近衛兵のようなビッグホーネットが数匹女王を守っていた。だが、魔導ガンによって駆逐される。はっきり言ってマリーは何の役にたたなかった。
巣の撤去が完了し、蜂蜜がたくさん手に入ったのと、ビッグホーネットの死骸がたくさん手に入った。
村長に駆除を報告したのだが、本来の目的はゴブリン退治だ。車で休んでいたマリーを連れて、荒らされた畑を確認する。
「調査って何をするんですか?」
最近になってマリーは俺のことを認めたらしく、言葉遣いに気をつけるようになっていた。良い傾向だ。
「足跡を確認するんだ。足跡が無ければ車の中で野営だな」
野営と聞いてマリーは顔をニヤけさせた。初めての野営だからだろう。しかし、どんなテントよりも車の中の方が安心安全だから緊張感はない。唯一の弱点はタイヤってところだろう。
荒らされた畑を確認しに行くのだが、村人と思われる足跡なども含まれているのと村人たちでどうにかしようとしたような形跡があってゴブリンたちの来た方角が確認できなくなっていた。
「面倒くさそうだな。よかったな、マリー」
「ちょ、なんですかいったい。どう言う意味なんですか」
「野営をするって話だよ。車の中で畑を見張るんだ。帰って布団で休みたいと言っても遅いからな。いろいろ面倒だということを理解しておけよ」
俺の言っている意味を理解できていないのか、マリーは首を傾げたのだった




