第59話 商売
家の改良にひと段落したので二人のステータスを確認することにした。
ステータス※奴隷
名前:カミュ 年齢:16歳
種族:獣人ハーフ
冒険者ランク:Cランク メタルプレート
ポイント:185
Lv:37
HP:251
MP:21
STR:343
AGI:217
DEX:167
VIT:214
INT:41
忠誠心:70
【スキル】剣技スキル10・超回復レベル3・嗅覚感知レベル3・聴覚感知レベル3・射撃レベル3
【魔法】生活魔法(清掃・掃除)
名前:ルノ 年齢:18歳
種族:獣人ハーフ
冒険者ランク:Cランク メタルプレート
ポイント:359
Lv:26
HP:171
MP:22
STR:110
AGI:120
DEX:100
VIT:140
INT:33
忠誠心:90
【魔法】生活魔法(清掃・掃除)
【スキル】剣術レベル4・射撃レベル7
ルノもカミュもレベルが上がっているが、ルノのステータスがかなり上昇している。
一気に能力が向上したようだ。
覚醒でもしたのか? いや、カミュのステータスをみる限りわかる獣人とのハーフだから能力が向上したのだろう。
それから一か月の間は何もしないで暮らした。
このトウキョウの町は広く、俺が住んでいるここはチヨダという地区になるらしく、治安が良くなかったので治安の改善という意味で近くの井戸場を改良してあげたのだ。
そうすることで俺という人間が居るということと、害が無いということを分からせたのである。水場が人の心を繋いでくれたということになる。生き物は水があれば一週間は生きていけるという話だからだろう。
俺はようやく冒険者ギルドに向かうことにして今までの分を更新したところ、シルバープレートからゴールドプレートにランクアップしていた。聞くところによるとイタバシ砦でのドラゴン退治が決め手となったらしい。一年もしないですぐにゴールドまで駆け上ってしまった。
これは結構目立つだろうと思い、しばらくの間は活動を自粛することに決めた。その間、俺は商業の方に力を入れることにする。
今はEランクのためできればDかCに上げておきたい。
ランクの上げ方はいろいろとあるらしいがどれも簡単にはいかない。何かしらの実績が必要だということだが、俺としては自由に生活できるのなら長く続けられるものが良い。
しかし、家の改良に使った鉄がそろそろヤバくなってきたので、それも含めてどうにかしないとダメだろう。俺の記憶の中にある鉄の採掘所としては、トウキョウ都から離れた場所にあるナガノという場所の山に採掘場がある。ナガノへ行くにはヤマナシを越えるかサイタマを越えるしか方法がないが、一人で行くのなら簡単な方法がある。それはレビテーションの魔法である。
ルノとカミュの二人は魔法を覚えさせたところでMPが足りないため、ナガノに行くことができない。だから二人は留守番してもらうことにして俺はレビテーションを使ってナガノまで飛んで行った。
鉄鉱山があると思われる場所に到着した俺は、魔法の鶴橋で山の岩場を掘り始めると、ゲームと同じように鉄が含まれた鉄鉱石がボロボロと出てくる。この場所は穴場なのだろうか。ゲームだと数時間おきに鉄が取れる採掘場となっていたので、誰でも知っている場所だと思ったのだが、誰もいないし掘られたような跡もない。ついでに金や銀、プラチナに銅、ダイヤモンドなどの宝石類も手に入れておこう。
行った先は全て採掘された形跡がないので取りたい放題であった。しかもオリハルコンはアダマンタイト、鋼。なんと滅多に手に入らないヒヒイロカネまで手に入った。ラッキーとしか言いようがない。
一度来た場所はテレポートで来れるから、次回からはルノやカミュを連れて来よう。その方がもっとたくさん手に入るだろう。
家に戻るとルノとカミュが腹をすかして待っていた。自分たちで何かを作ろうとは思わんのかねぇ……。取り敢えず飯の支度をして二人に食べさせた。その夜は鍜治場で鉄の剣を10本ほど作ったのだが、いつもの癖でエンチャントを10個つけてしまった。これは売り物にできないため新たに鉄の剣を10本ほど作り付与は三つほどにしておいたが、これでも王都では大変な騒ぎになってしまうだろう。
付与したのは切れ味5、腐食防止5、刃毀れ防止の三つを付けた。
翌日になり商業ギルドで露店許可をもらうために銅貨30枚払って、販売して良い区画を紹介してもらった。
ギルドから教えてもらった販売区画へいってみると、本当に辺鄙な場所だった。なぜにこんな場所を紹介したのか聞きたいくらいだが、文句を言っても仕方ないだろう。
俺たちは露店をストレージから取り出して剣を並べる。こんな場所で剣など売れるのか分からないが、一応並べている。
隣には獣人と思われる犬が宝石のような物を並べているが、全てイミテーションだ。スキルの鑑定でガラス細工だと教えてくれる。ビバ鑑定スキル。
「兄ちゃん、こんなところで武器を売っても売れねーぜ」
「あんた、鑑定魔法は使えるのか? それに俺には奥の手がある」
「あぁん? 鑑定魔法を使えないやつが商売人なんてやってねーよ」
「なら、この鉄の剣を鑑定してみろよ」
そう言って俺は鉄の剣を犬の獣人に渡す。どうやら話した感じ俺よりもオッサンぽい。
犬の獣人は鑑定魔法を唱えて鉄の剣に付与されているものを読み解いていくと、驚いた顔をした。
「お、おい! あんたこれは何処で手に入れんたんだ!」
「それは秘密だ。オッサンになら金貨20枚で売ってやってもいいぜ」
「き、金貨20枚……。か、買った! 売ってくれ!」
「毎度あり~」
犬の獣人は急いでストレージから金貨を出して、俺から鉄の剣を奪い取るように受け取った。その後すぐに店じまいをして、どこかへ行ってしまったのだった。
それからしばらくして、何人かの冒険者がやってきて鉄の剣や銅の剣を見ていく。鑑定魔法が使えるものは、何が付与されているのか確認して驚いた顔をしながら武器を買っていく。冒険者の口コミが広がり、俺が作った武器は飛ぶように売れていき、昼過ぎにはすべて完売となった。
正直に言うとお金は腐るほどあるので必要は無いが、ランクアップのためだから仕方がない。俺は店仕舞いをして商業ギルドへ行き、本日の売り上げなどを報告した。売り上げは好調だったがランクアップには至らなかった。
家に帰る途中に冒険者ギルドへ立ち寄ると俺の店のことで噂は持ちきりだったが、本当に三つも付与されているのか疑問視する者もいた。しかし、どこかの武器屋で金貨80枚で鉄の剣が売られているという話が入ってきて、大半の冒険者がその店へと向かった。
俺たちは冒険者ギルドに併設されている酒場で夕飯を食べることにした。すると、ギルド内が騒がしくなった。なんだろうと思いカミュに聞いてみると、誰かがオークの集落を発見したらしく討伐隊を編成するとかしないという話をしているらしい。
俺たちには関係のない話だと思いながらその日は家に帰ると、ルノが珍しく甘えた顔をしてきた。考えてみれば最近ご無沙汰だった気がする。
カミュを先に寝かしつけ、ルノが俺の部屋へとやってきた。
「ご主人さま、今日はずいぶんとがっぽりと儲けましたね!」
「どうやら俺の作る武器は特別製らしいな」
「まるで貴族様が持っているような金貨の量でしたよ!」
「そうかもしれんが、お前はそんな話をしに来たのか?」
「ご主人さまは雰囲気作りもできないんですか?」
すこし不貞腐れたような顔をしながらルノは言う。俺はルノを抱き寄せると、ルノは腕を回してくる。
「——ごしゅじんさま……」
ルノは顔をペロペロと舐め始めると、俺はルノの胸に手を添えて指で転がし始めたら、ルノの息遣いが変わってきて俺たちは唇を重ね合わせたのだった。




