第55話 返品交換
俺の作った武器をみてローラーさんたちは声を上げる。先ほどまで揉めていたのが嘘のように仲良く話している。
「これはハルバートか!」「こっちは鋼の剣!」「鋼の槍よね! これは私が使って良いの?」
「他に防具も作ってありますから、何かあれば調整しますよ」
そう言って三人の防具を渡してみると、三人は声を上げて来ていた防具を取り換えてみる。ルナさんは旅人の服だけだったらしく、鋼帷子を見て飛んで喜んでいた。
俺としては新しい武具を提供したのだからさっさと帰ってもらうことにして俺たちは久し振りに家でゆっくりすることができた。
翌日、俺たちはジョアンの屋敷に来ていた。何をしに来たのか分からない二人。俺は決断の時だと思いながら屈強な男に案内されジョアンの部屋に案内された。
「おおぉ! シノミヤ様!」
「お久しぶりです、ジョアンさん」
「活躍の噂は聞いておりますぞ! 今日はどうなされたのでしょうかなぁ?」
首を傾げながら聞いて来る。
「今日は貰った奴隷をどうやって言うことを聞かせるのかっていう話をしに来たんですが……」
ビクッと体を震わせたルノに対し、全く気にした様子はないシェリル。
「んん? どちらの奴隷が言うことを聞かないと言うのでしょうかぁ?」
「シェリルが言うこと聞かないので売りたいんですけど」
俺の言葉にシェリルは驚いた顔をするがルノはホッと息を吐く。自分ではなくて良かったと思っているのだろう。
「俺は家事全般ができる人を求めたんだけど、何か月たっても覚える気がないらしい。だから彼女を返品したい」
まさかの言葉に「ちょっと待ってよ!」とシェリルは言う。俺はかなり待った。だがお前は何も努力をしようとはしなかった。
「そうですなぁ……買い取り額は……金貨500枚で如何でしょうか?」
「構いません。言うことの聞かない奴を養う義理はないんで」
契約は成立。奴隷契約をジョアンに移して俺は再びルノと二人になった。もちろん装備は全て返してもらった。
「ご、ご主人さま……私も要らなくなったら売るんですか……」
怯えた声でルノが聞く。
「ルノは売らないよ。たくさん頑張ってくれているからね」
「そ、そうですか……」
「シノミヤ様ぁ、他に御用はありますでしょうかぁ? 素晴らしい奴隷がおられますが……」
「じゃあ、見せてもらおうかな」
俺の感覚は少しズレ始めているのかも知れないが、簡単にパーティメンバーを揃えることが出来るのであれば活用してもよいだろう。
しかし、なんでジョアンは俺に女性しか紹介してこないのか気になるが、男の趣味は無いので観ていく。
「あっ!」
ルノが何かに気がついたらしく声をあげた。何に気がついたのだろう。
「どうした? ルノ」
(あの人……獣人のハーフですよ!)
ルノが耳打ちして教えてくれる。ずいぶんやせ細っている少女だ。ルノのようにケモミミで尻尾が生えているが、何か様子がおかしい。
「あの子は?」
ジョアンは少し難しい表情をして答える。
「彼女は毒で目をやられておりましてねぇ……。冒険者ランクはメタルプレートだったんですがぁ、その時に目をやられてしまったらしいのですぅ。そこの獣人と同じ種族でハーフなのですぅ」
「目を治そうとは?」
「毒消しでも治せない毒らしくぅ、神殿へも連れて行ったのですがぁ……」
毒消しで治せないとなると、万能薬しかないだがこの間は彼女がこの屋敷にいたのなら万能薬を使っているはずだが、彼女はいなかった。
「俺の薬を使ってみても?」
「構いませんがぁもしも治った場合ぃ、値段が跳ね上がりますぅそれでもよろしいでしょうかぁ? クふふぅ……」
跳ね上がると言われてもどれだけ上がるのか分からない。
「なら彼女を購入します。いくらになりますか?」
俺が購入すると言ってジョアンは腕を組んで考え込む。何を考えているのだろうか?
「……金貨……500枚!」
「それってシェリルと同じ代金じゃねーか!」
「私は商人ですぞぉ! 彼女はお金になる! そう判断したのでぅ! 如何いたしますかぁ?」
「分かったよ。シェリルと交換で構わないだろ」
「はいぃ……構いません。それでは彼女をお連れくださいぃ」
俺の血を一滴たらし、肩に奴隷紋を書き込まれる。彼女は何が起きているのか理解できず、ルノがケープを彼女にかけサンダルを履かせる。服は帰ってから着させるとして、先ずは家へ戻ることにした。
帰る際にジョアンから彼女の冒険者プレートを受け取ると、確かに彼女はメタルプレートの冒険者だった。
外は暖かくなってきたと言っても夕方はかなり冷えてくる。シェリルが使っていたウサギのコートを着せて家へと戻っていった。
家に帰り着き彼女に話を聞くと獣人族のハーフで、スギナミ洞窟で毒を目に受けてしまい仲間と共に脱出したのだが、毒消しそうを持っていなかった彼女らは、シンジュクの町にある神殿へ行き毒の解除を依頼したが時すでに遅し、目が治ることがなかったという。
仲間がどうにかしてくれるといってくれたのだが、結局どうにもできず仲間に裏切られるといった形になり、ジョアンのところに売られてしまったとのことだった。
彼女のステータスはルノよりも高かったが、ルノと同じで魔法を使うことができないらしい。
彼女の名前はカミュと名前らしい。
ステータス※奴隷
名前:カミュ 年齢:20歳
種族:獣人ハーフ
冒険者ランク:Cランク メタルプレート
ポイント:180
Lv:36
HP:245
MP:20
STR:340
AGI:216
DEX:160
VIT:210
INT:40
忠誠心:50
【スキル】剣技スキル10・超回復レベル3・嗅覚感知レベル3・聴覚感知レベル3
【バッドステータス】盲目
どうやらバッドステータスがあると言うことは、それを取り除けば元に戻せば彼女の眼が見えることになるはずである。しかし、バッドステータスのおかげなのか嗅覚や聴覚などが強化されているようで、スキルに追加されていた。しかも超回復まで覚えているのはすごい。
先ずは部屋にある椅子に腰かけさせる。俺は薬草と目覚まし草を調合された目薬をストレージから取り出した。これはゲーム時代に作ったアイテムで、盲目というバッドステータスを回復させるアイテムである。これで治らなければ万能薬を使って治すことができるはずだが、治らなければディスペルの魔法を使うしかない。面倒だからエリクサーを使っても構わないが、エリクサーにも数がある。
「目を開けられるか」
「う、ウッす……」
目を開けると何処となしか目が赤くなっており俺はカミュの目に目薬を差してみると、カミュの目は虹色輝き目をパチクリとさせた。
俺は治っているのか再びステータスをを確認してみた。
ステータス※奴隷
名前:カミュ 年齢:20歳
種族:獣人ハーフ
冒険者ランク:Cランク メタルプレート
ポイント:180
Lv:36
HP:245
MP:20
STR:340
AGI:216
DEX:160
VIT:210
INT:40
忠誠心:50
【スキル】剣技スキル10・超回復レベル3・嗅覚感知レベル3・聴覚感知レベル3
バッドステータスの【盲目】が無くなっているので目が治っているはずである。万能薬を使わなくて済んだのはよかったが、この程度のバッドステータスを治せなくってどうやって生活をしていくつもりなのだろうか。
「み、見えるっス……目が見えるっス!」
驚いた声を上げるカミュ。
「取り敢えず今日は暗い部屋で過ごした方が良いだろう。ルノ、明かりを消してくれ。カミュはこのままここで休みといい。風呂などは明日にでも入ればよいだろう」
カミュのステータスを見て分かったのだが、生活魔法を使えないらしい。勝手に覚えさせても良い物なのか分からないが、俺の奴隷だから大丈夫だろう。
ステータス※奴隷
名前:カミュ 年齢:16歳
種族:獣人ハーフ
冒険者ランク:Cランク メタルプレート
ポイント:170
Lv:36
HP:245
MP:20
STR:340
AGI:216
DEX:160
VIT:210
INT:40
忠誠心:50
【スキル】剣技スキル10・超回復レベル3・嗅覚感知レベル3・聴覚感知レベル3
【魔法】生活魔法(清掃・掃除)




