第41話 天災のあと
神殿から奴隷商館へ行く間、ジョアンと俺たちは一切会話することはなかった。もちろんルノも会話をするようなことはなかった。
奴隷商館が見えてくると建物はかなり破壊されていたが、ジョアン曰く「商品は地下に避難させておりますが、一部の商品が逃げ遅れてしまった」との話であった。また、「シノミヤ様のご自宅は大変立派なものだとおうかがいしております」と誰に聞いたのか分からないが、俺の情報をかなり把握している様子だった。
現場に到着すると身なりの良い兵士たちが建物を守っていたのが分かるが、その中には傷ついた者たちもおり、兵士たちは仲間の治療にあたっていた。
「ルノ、怪我人にポーションを配ってくれるか」
「え? あぁ、はい……」
ルノは少し動揺している様子だった。神殿にいた冒険者や町の人たちに比べ怪我の度合いがひどい。ここまでの傷を見るのは多分初めてだろう。
「おぉ! シノミヤ様がお創りになられた神水ですねぇ! 王宮にある伝説のエリクサー並みとか!」
今日問題なったばかりの話まで知っているのかよ!
実際にエリクサーはストレージの中にあるのだが、ここまで問題になるのなら絶対に出してはならないだろう。
「シノミヤ様! このお礼は必ずさせていただきますぅ!」
「お礼なんて期待してない。それよりもどうして誰も助けに来ないんだ?」
ここにいる兵士はどう見ても私兵だ。いろんな人が世話になっているのなら誰かしら助けに来ると思うんだが……。
「敵も味方も多いですからねぇ。基本的に私の仕事は商品の売り買いですぅ。嫌われることの方が多いいということですはい……」
理由はいろいろとあるということなのだろう。
ルノが戻ってきたのだが、持っていたポーションの数が足りないということで、怪我人のところへ案内してもらうと、そこには怪我人だけではなく病人も多くいた。
「ちょっ、これって……」
「おぅ! 見られてしまいましたぁ! 彼らは『不良品』ですぅ。治療する手立てがなくぅ売ることができないんですぅ」
人を不良品というのか。いや、奴隷商人ならば『商品』ということなのだろう。だが、このまま放っておくことはできない。
俺はストレージから万能薬を取り出して病人に飲ませ、ルノにハイポーションを渡して怪我人に飲ませるよう指示した。
万能薬は数種類の薬草を調合したもので、全ての万病や毒などを治癒するものである。名の通り『万能』の薬。
「そ、それはまさか万能薬!」
ジョアンが驚いた顔をして俺を見るが、俺はその万能薬をすべての病人に使用した。
「数日のうちに治ると思うから、美味しい物を食べさせてやるんだな。ルノ、そっちは終わったか?」
「は、はい!」
「なら、俺たちは家へ戻るとするか」
そう言って俺たちは家に戻ったのだが、家はとてつもなくひどい状態となっていた。
「お、俺たちの家が……」
「全壊……してますね」
空から見たら俺たちの家はかなり逸失で目立つのだろう。建物は見るも無残な形となっており、俺は膝から崩れ落ちた。こんなことなら魔法結界を作っておくべきだった。
魔法結界とは、人や魔物から認識阻害させて近づけさせなくさせるものである。ゲームでテントを使った際に、エンカウントさせなくするものだ。
「今日は宿屋ですかね……」
ルノは苦笑いをしながら言う。宿屋も何件か壊れていたから、泊まる場所を早く見つけないと大変なことになる。
こんな場所で落ち込んでいる暇はない。
「ルノ! 急いで宿屋を探すぞ! 下手すりゃ野宿の可能性だってある」
「げぇ! それは嫌です!」
俺たちは宿屋を探したのだが、すでに宿屋は満室で泊まることができず俺たちは再び全壊した家へと戻ってきたのである。
「どうしますか?」
「しばらくはテント暮らしだなぁ……。一から作り直さないと……」
そんな会話をしてると、さっきまで神殿にいたセリナがやってきた。
「シノミヤさん、申し訳ないのですが……アッ!」
アッてなんだよ。何しに来たんだよ。
「セリナ様、どうなされたんですか?」
落ち込んでいる俺に代わってルノが聞いてくれた。
「宿屋が満室だったもので……泊めていただけないかと……」
「泊めるも何も、家はこんな状態だ。他をあたってくれ」
今はセリナを相手にしている暇はない。
「行く当てがあれば行ってます! 無いから頼って来たんじゃないですか!」
「あるのはテントだけだ。それでよいのなら貸してやる」
嫌がらせのように言うが、本当にテントしかない。俺はストレージからテントを取り出すと、ルノと一緒に設営を始めるとセリナも設営を始めた。他の場所で泊まれよ……。
今日はテントに泊まることにして明日から再び家の修理というか、解体して改築しなければならない。悔しさから今日はBBQをしたが、なぜかセリカもお相伴に預かっていた。
翌朝になったらなかったことになっていないかと思ったが、全壊したままだった。セリカは宿屋の空きを調べに出掛けたまま帰ってこない。このまま帰ってこなくても構わないが、テントくらい畳んで帰れ。
先ずはごみをストレージ内にしまい込み、分別していく。ゴミもできる限り再利用する。これぞSDGs。家の解体に一週間かかり、新たに建て直しに一週間。今回は土地をすべて更地にしたので、客間を作るつもりで二階建てにした。
「この間よりも広い家にしたんですね!」
「客間を作ってみた。これで誰が来ても止まることが可能だ。もちろんお前の部屋も作ってあるから、今日からそこで寝ろ」
この二週間は一緒の布団で休んでいたのだが、ルノはいつも俺に抱き着いて寝ていた。危うく襲いそうになった日もあったが、何とか我慢することができた。
「あのぉ……ご主人さま、前々から聞きたかったのですが……ご主人さまは不能者ですか? それとも同性愛者ですか?」
「はぁ? 何を言ってるんだよ。俺は普通に女性が好きだ」
「だったらなんで私を抱こうとしないんですか? こんなにアプローチしているのに手を出さないなんておかしくないですか?」
ジト目で俺を見るルノ。
「無理にそういうことをしなくったって良いんだぞ」
「無理になんて思ってません! 私はご主人さまを初めて見た時から……」
え? なに? 襲って良いの?
「なら、一緒に風呂でも入る?」
冗談ぽく言ってみた。
「入りますよ! ぜひ一緒に入ってくださいよ! さぁ早く服を脱いで!」
ルノは自分から服を脱ぎ始め、生まれたばかりの姿になった。何度か見ているが、ルノの体は綺麗で見とれてしまう。
「は、恥ずかしいからそんなに見ないでください! というか、早く脱いで!」
ルノは急かしながら浴室へ入っていった。俺は少し緊張しながら服を脱ぎルノが待つ浴室へ入っていくと、ルノはシャワーのお湯がまだ冷たかったのか手で温度を確認していた。
「ささ、ご主人さま。そこの椅子に腰かけてください。私が洗ってあげます!」
言われるまま椅子に腰かけると、頭にシャワーを掛けてシャンプーをプッシュして頭を洗い出すなんだか気恥ずかしい。それからルノは俺の体を体を使って洗い出しす。ルノの胸が背中だけではなく体中を通るので俺の息子も元気になった。
それを見たルノは自分の手でやさしく包み込み上下運動をさせて俺を気持ちよくさせ唇を顔に近づけてきた。俺はそのままルノの唇を貪りつくようにキスをした。
すべてが初体験だった。女性の体がこんなにも柔らかいことを初めて知った。
ルノの胸を揉みながらクレバスに俺の息子が入っていく中、ルノは少しだけ痛そうな表情をしたのだが、息子を包み込む気持ちよさに俺はそこまで余裕がなく一回だけ昇天したが、息子は元気のままだった。ルノはやさしく自分の体を上下に動かし、俺を何度も気持ちよくさせてくれたのだった。




