表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/92

第27話 夜で洞窟内

 何度か試し撃ちをさせてからヨヨギ村へ向かうことにした俺たち。撃つたびに驚くルノだったが、十発ほど撃った時には銃を落とさないようになった。的を見てある程度銃の威力も理解できたらしくルノの表情は最初に比べて明るくなっていた。げんきんな奴だ……。

 ようやくヨヨギ村へ向かうことができるようになった時には日が暮れ始めており、今日はいったんテレポートの魔法で家に戻ってから明日もう一度ヨヨギ村へ向かうことにした。

 最近ルノの我が儘を言うことが多く、移動するまでに時間がかかり過ぎてしまう。ルノも人だから我が儘の一つくらい言いたくなるのも理解できるが、少し言い過ぎのような気がする。歩いて移動するのも効率が悪く馬車でも購入した方が良いのかと思ったが乗合馬車も出ているためそれを使うのも良いかもしれない。今後についてはもう少し考えた方が良いだろう。

 翌朝になり再び俺たちはヨヨギ村を目指してシンジュクの町をあとにした。ヨヨギ村はシンジュクの町から半日ほど歩いた場所にあり、それほど遠くはない。ヨヨギ村へ向かう道中、動物相手にルノの訓練を行いながら歩いているため、到着したころには日が暮れてしまっていた。


「今日はどこかで宿をとるんですか?」


 なるべくだったらゴブリンと戦いたくないといった表情をしているルノが聞いてきた。お前がちんたら歩いているため遅くなったんだと言いたかったが、こいつに文句を言ってもしょうがない。


「いや、ゴブリンは夜行性だからこのまま討伐をしようと思っているが、先ずは依頼主の村長の家を訪ねよう。場合によってだが村長が泊めてくれるかもしれないぞ」


 俺の言葉にルノは喜んだのだが、村長に話を聞いたらすぐに家畜が狙われているため今すぐにでも討伐をしてもらいたいと言われてしまい、期待していた言葉とは違っていてルノは頬を膨らませていた。ギルドでも早めに対処してほしいとの話だったので、そうなるだろうなって思っていたが本当にそうなったか……。


「もうすぐ夜ですよ! 暗くて相手のいる場所なんて分からないに決まっているじゃないですか!」


 不貞腐れた声でルノが言う。


「仕方がないだろ。相手は夜行性なんだし、次は家畜だけが襲われるとは限らないんだから」


「ですが夜は暗くて周りが見えないですよ!」


「そんなこともあろうかと、こんなものを用意してみた」


 そう言って俺はストレージから暗視ナイトスコープを取り出してルノに渡す。


「明るい場所で装着するなよ」


「なんですか、これ?」


 暗視ナイトスコープを装着しながらルノが聞いてくる。


「暗闇で使う眼鏡みたいなものだよ」


「眼鏡にしては大きすぎる気がしますけど……。わっ! 周囲がよく見える!」


 暗視スコープとは肉眼では確認が不可能な暗闇を映し出す光学機器。これがあれば夜でも物の位置などがまるわかりになるが、明るい場所で使うと目をやられる可能性があるので注意が必要だ。


「ルノ、武器は剣じゃなくて銃だぞ。暗視スコープが邪魔で動きにくいからな」


「りょ、了解です……」


 ルノはストレージから銃を取り出したらしく両手でグリップを握っている。

 ゴブリンが家畜を襲っていた場所に行き周囲を観察していると、ゴブリンらしき魔物の足跡を発見した。


「魔物の足跡だな。これを辿っていけばいいってわけだ」


「結構な足跡がありますよ!」


「近くにゴブリンの巣があるんだろ。早めに仕留めなきゃ村がやばいな」


「これってメタルかシルバープレートが受ける依頼じゃないですか! 私のようなアイアンプレートが受けるような仕事じゃないですよ!」


「平気平気。問題ないって。拳銃(それ)があれば相手は近寄る前に仕留めることができるから」


 そういう問題じゃないとルノは言っていたが、俺からしたらゴブリンなんてただのゴミだ。足跡を追跡していると大きな洞窟にたどり着いた。


「足跡はこの先に続いていますね。ご主人さま……本当に洞窟(この)中に入るんですか?」


「入らなきゃ討伐できないだろ」


 ストレージからショットガンを取り出してゆっくりと中へ入っていく。ルノは後ろを警戒しながら俺の後を付いて来る。ルノはブツブツ文句を言っており、帰ったらお仕置きが必要かもしれない。

 奥の岩陰に数匹のゴブリンが潜んでおり、俺は歩みを止める。


「ちょ、ご主人さま! 相手はこちらに気が付いているじゃないですか!」


「お前の声がうるさいからだろ。ちょっとショットガン(これ)を持ってろ」


 俺はストレージからデザートイーグルを取り出して構える。


「ルノ、お前に渡した銃よりも威力があるやつだけど、これに当たったらどうなるのか見てろ」


 そう言って俺は狙いを定めてトリガーを引くとゴブリンの頭がトマトのように破裂し、薬莢が地面に転がる。


「まずは一匹……」


 狙いを定めってもう一度トリガーを引くと薬莢が地面に転がるが、ゴブリンの頭が破裂。何が起きているの分からないと言った顔をしているゴブリンたち。合計で四匹いたようで、俺は残りのゴブリンを射殺すると、ゴブリンたちは光の粒子となって消えてしまった。ゴブリンがいた場所には魔石が落ちており、俺はその魔石を手にした。


「魔石……か。魔力がこもった石」


 ゲームと同じだったら武器に使える道具。何かのエネルギーとしても使えるはずだ。


「……すごい」


 銃の威力や弾の速度にルノは驚いている。


「先へ進もう。もしかしたら俺たちの前に依頼を受けた冒険者は生きているかもしれないからな」


「え? 生きているんですか?」


「もしかしたらの話だ。死んでいるかもしれないが、生きている奴だっているかもしれないだろ。早く行ってたしかめなきゃならん」


「わ、分かりました……」


 銃を構えながらゆっくりと歩いていく。隠れているゴブリンや襲ってくるゴブリンたちを撃ち殺して奥へと進んでいくと、分かれ道にたどり着いた。


「わ、分かれ道だ……どちらへ進みますか? 足跡は両方の道にありますよ? 右側に何か絵が描かれてますが……」


「取り敢えず右側を進んでみるか。ルノは後ろを警戒してくれ。ゴブリンを発見し次第拳銃(それ)で撃って」


「は、はい!」


 ゆっくりと歩き進んで聞くがゴブリンは現れない。ゴブリンが現れないまま行き止まりにたどり着いた。


「行き止まりだ。どうやら道を間違えたようだな」


「ご、ゴブも現れなかったですね……」


「行きはよいよい帰りは恐いって歌がある」


「なんですか? その歌。行きは良いが帰りが怖いんですか?」


「油断大敵ってことだ。帰りは恐いって意味はそれぞれあるが、帰り道は油断していることが多い。帰り道にゴブリンが襲って来るぞ」


 ゴブリンたちは俺たちを右側へ誘い込んだ。右側に意識を向けるために絵を右側に描いていたのだろう。頭が良いゴブリンがいるということか? 

 俺の予想通り戻っている最中にゴブリンが次々と襲ってきた。走ってやってくるゴブリン。暗視スコープ越しからみているためゲーセンに置いてあるシューティングゲームのように感じてしまう。ルノは恐がって俺の後ろに隠れており、何の役にもたっていない。

 再び分かれ道にやってきたが、どちらに進んでもゴブリンが襲ってくる可能性がある。


「ルノ、どちらに進んでも行き着く先にはゴブリンがいるはずだ。俺の背中はお前に預けたからな。頼むぞ……ルノ」


「ちょ、ちょっと待ってください! 私にはできないですよ! 無理ですって!」


「なら、お前はこの洞窟で死ぬんだな。俺は生き残るけどね」


「私だって死にたくないですよ!」


「なら生き残る方法を考えるんだな」


 今度は左側の道を進み始めると再びゴブリンが襲ってきたが、後ろからも襲い掛かってきているようで真後ろから発砲音が聞こえてきた。

 洞窟の最終部に到達すると椅子に座った偉そうなゴブリンがおり、こちらを見て笑っていやがった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ