第19話 家の改修工事
翌朝になり意識が覚醒し始めると、隣に何か暖かいものがあることに気が付いた。それがいったい何なのか分からないが、とても気持ちよくて柔らかい。これはいったい何なんだろうか?
「あっ……ん……ちょ、ちょっと……ご主人……さま」
誰かの声が聞こえてきたが、誰の声なんだろう? それにしても柔らかいが、何か突起物のようなものがある。
その突起物を指で摘まんでみると、誰かが大きな声をあげたので目を開けてみると、ルノが布団に潜り込んでいた。しかも素っ裸で俺の手はルノの胸を掴んでいた。
何故にこいつは人が寝ている布団の中へ入ってきているのだろうか。
「……あっ……ふんっ……」
女性の胸ってこんなに柔らかいものなんだな。モミモミ……。
「あん……ご、ご主人さま」
「なんで俺の布団に入り込んでんの?」
揉む手は止めずに聞いてみたが、感度が良いらしくルノは声を上げながら身もだえている。
「ちょっ……手を……あんっ」
これ以上いじっていると話が進みそうにないので、取り敢えず手を止めるとルノは息を切らせていた。
息を整えたルノに話を聞くとどうやら夜這いをしようとしたのだが、布団の中がとても暖かくそのまま眠ってしまったとのこと。何をしてやがんだよ。
取り敢えずルノには着替えてくるよう指示して、まずは外装から着手することにしたのだが、ルノがお腹を押さえていることから、朝食を作ることにした。
朝食はスキルの【調合】で作れることが分かり、俺はパンとハムエッグを調合で作成してルノに渡すと、ルノは嬉しそうに食べて満足したような顔をしたのだが、急いで食べたため喉に詰まってしまったらしく外にある井戸へ走っていった。忙しい奴だ。
なかなか戻ってこないルノを見に井戸のある方へ向かってみると、井戸は鶴瓶式の井戸でルノは桶に口をつけて水を飲みほしていた。どれだけ飲むつもりなんだよ。
ルノが井戸から戻ってきて、外壁工事を行う。建物は木造に漆喰が塗られているタイプで俺は漆喰を剝がし始めた。
「なんで壁を壊すんですか?」
剝がれにくい漆喰を一生懸命剥がそうとしながらルノが聞いてきた。
「クラック……壁がひび割れがしているだろ。それに建物が古そうに見えるからだ。俺はきれいな家に住みたい」
そういうと、ルノは納得した顔をしながら漆喰を剥がしていくのだが、ルノの力では大変そうだった。俺は簡単に剝がしていくので、ルノは納得していない顔をしていた。
漆喰を剥がしていくと、管柱や間柱、通し柱などが出てくる。それが腐っていないか確認して、腐っているようなら部分的に切り取って補強していく。俺はゲーム時代に何度も家を建てているため手際よく作業を進めていくのだが、ルノは初めてのことばかりで漆喰を剥がすのに苦戦していた。
「漆喰は剥がし難いので大変だと思うが頑張ってくれ」
「りょ、了解です!」
苦戦しながら剥がしていくが、俺の方がスピードが早い。そのうち剥がすのに飽きてしまったのか、ルノは座り込んで俺の作業を見ていた。仕事をしろよ……。
漆喰を剥がし柱の補強などを終わらせると、建物は骨組みの状態となった。その骨組みにシロアリなどに食われないため薬剤を塗布し、その間に昼飯を食べに行く。薬剤が乾くのに一日ほどかかるため、今日は宿屋に泊まることにしたのだが、宿屋で部屋を二部屋借りようとしたところ、奴隷は物扱いとなるため、一部屋しか借りることができないらしい。これだから奴隷社会は嫌いなんだよ。
仕方がなく、一部屋だけ借りることにして部屋の中を生活魔法で奇麗にし、布団を敷いた。ルノは一緒のベッドで寝ればよいと言っていたのだが、俺は嫌だったのでそうしたのだ。
午後は家の屋根に着手することにした。壁に関しては薬剤を塗布しているから何もできないからである。
梯子を上って屋根を確認すると、瓦が剥がれている場所などがみられるため全ての瓦を取り外し、敷かれているベニヤで腐食している部分を張り替え、防水シートを張り付ける。手際の良さにルノは口をあんぐりさせていた。
屋根はガルバリウム鋼板にて施工し、出来上がった屋根を見てルノは言葉を失っていた。
しかし俺はこれで終わりにしない。この世界には電気というものがなく、明かりはライトの魔法か蝋燭で明かりを灯すしか方法がない。だが俺にはゲームのスキルを持っているため電気を作ることができる。どうやって作るかというと、太陽光パネルを設置することだ。鍛冶で太陽光パネルを作成し、屋根の上に敷き詰めていく。俺が何をしているのか分からないルノは、黙って俺の作業を見守っていた。
屋根の作業が完了し、次は井戸の改修である。ほかの場所では手押しポンプに改修していたが、自分の家では電機があるため電気モーター式ポンプを設置し配管などを室内へ増設工事も行う。地面を掘るというよりも、プリンみたいに掬うかんじが癖になりそうだった。
本日の作業はここで終了させ、宿屋へ戻り汚れを落とそうとした。だが、昨日試せなかったルノの魔法。本当に魔法が使えるの分からないため先ずはルノに魔法が使えるか試してもらうことにした。
「私に魔法を授けたって本当に思っているんですかぁ?」
「いいからやれよ。絶対にできるはずなんだ」
「絶対と言いながら、はずってどっちですか……」
ブツブツと文句を言いながら指先に魔力をためて魔法を発動させると、俺の体が綺麗になったのが分かった。
「成功したみたいだな。ほら、俺は綺麗になったぞ」
「ふぉ! 本当に私が魔法を使用できた! どんな魔法を使ったんですか!」
目をまん丸くしながらルノが聞いてきた
「それは秘密だ。それよか、先ずは飯を食べようぜ」
晩飯は猪のステーキだ。ルノは先ほどの魔法を使ったことを忘れたかのように喜び、ステーキをかぶりついた。
翌日になり目を覚ますと再びルノが俺の布団に入り込んで寝ており、俺の拳骨で起こしてあげた。潜り込んだ理由は暖かかったからだそうだ。
再び家に戻り家の修繕作業に移り柱の間に断熱材を設置し始める。これはルノにもできるためホッチキスを渡し一緒に作業を進めていく。二人でやっているためアッという間に終わってしまう。
通気胴縁を取り付けて外壁仕上げ材としてステンレス鋼板でサイディングしていき、外壁の作業は完了する。次は窓にサッシを取り付て窓ガラスにした。ルノ曰く、ガラスは高級品らしくこのように使っている家はないとのことだったが、俺のいた世界では当たり前の物だから気にしない。ガラスは石で作ることが可能だ。
キッチンは石窯で作られているためハンマーなどで叩き壊し、床を掘り返して排水設備のやり直しを行い、床も腐っているため全ての床を剥がし腐っている根太を取り換えて断熱材を敷き詰める。床にべニアを敷いてフローリングを張り付けて床は完成。
トイレは汲み取り式から水洗トイレに変更しただけではなくウォシュレットを設置したのだが、水は魔力を流すことで出る仕組みにした。お風呂に関してはユニットを組み上げシャワーなどを使えるように変更した。
残りは明日にして、俺たちは再び宿屋に泊まることにしたが、目を覚ますと何故だかルノが俺の布団に寝ており、起こすのも可哀想だから一緒の布団で寝ることにした。
翌朝、寝ていると何やら股間のところが気持ちよい。生暖かい何かが包み込んでいるよう感じて目を覚ました。何が起きているのだろうと股間の方を見ると布団が盛り上がっており、俺は驚きの声を上げて立ち上がろうとした。だが、足を何者かにホールドされているようで、隣にいるはずのルノが心配となり隣を見るのだが、隣にいるはずのルノがいない。
布団をまくり上げるとルノが俺の股間にある逸物をほうばっており、俺は口元を引き攣らせた。もちろんルノには拳骨を食らわせたのは言うまでもない。




