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第1話 異世界へ

 どうやら神と名乗る爺さんの手によって、俺こと四ノ宮京介は死んでしまったらしい。


『いやー、申し訳ない。赦してちょ』


 雲一つ無い快晴の朝、放った雷が俺に直撃してしまったようで、神と自称する爺さんが、軽いノリで謝罪の言葉を投げかけてきた。


「赦してちょ。じゃ、ねーよ! どうしてくれるんだよ!」


『いやー、神にも手違いがあるじゃよ』


 本当に軽いノリで言ってくることに、心底怒りを覚えるが、今はそれどころではない。


「人を勝手に殺しておいて、赦されると思ってんのか! おい、早く生き返させろ!」


 男の子が好むエッチな本などの処分すらして無いし、通帳の残高を確認されたら、親は発狂するかもしれない。


『そうしたいのじゃが、先程見せたのは一週間前の映像じゃ。お主はすでに火葬されており、すでに肉体がこの世には無い』


 笑えない。

 俺は一週間も意識を失っていたのか……。

 そうなると、すでに本の在処がバレているのと、通帳は回収されてしまっただろうな。

 しかし、本当にこの爺さんの不手際だったのなら、責任をとってもらわなければ、納得ができないし、どうして俺に雷を落としたのか聞かなければならない。

 エッチな本は発見されているはずだし、お金だって回収されてしまっているはず。

 あの親なら俺が残した遺産だとか言って、勝手に使いまくるだろう。


「じゃ、どう責任を取ってくれるんだよ。必死で稼いでだ金で、悠々自適な生活を送っていたのに! それに、なんで俺に雷を落としやがったんだよ!」


 少し怒ったような口調で言っても、爺さんは動じることもなく笑みを浮かべております、その姿が更に俺を苛つかせる。


『お前さんに落とすつもりはなかったんじゃ。強盗犯の手前で落とすつもりだったが、誤ってお主に落ちてしもうた。本当にすまなんだ……』


 どんな理由にせよ、人を殺しておいて、簡単に許される理由(わけ)が無いため、俺は爺さんを睨むように見つめる。


「それで、俺はどうなるわけよ?」


 すでに、戻れる体がないし、役所では死亡扱いとなっているはずで、肉体を再生してもらい生き返ったところで、ただ騒ぎになって面倒事が増えるだけだ。

 ここは、この先をどのように考えているのか聞いてみるしかないが、最低限の我が儘くらい言わせてもらおう。


『そうじゃのう、地球で生き返らせる訳にはいかんが、転生させることならできるぞ』


 やはり生き返らせるのは無理らしいが、転生させることならできるようだ。

 しかし、転生するにしても、辺鄙な国なんかに転生させられても困ってしまう。


「まぁ、転生させてくれるなら構わんが、変なところや国に転生させるなよ」


 人に落雷させるくらいだから、本当に変な国や場所にやりかねん。


『わかっておるが、地球での転生は順番待ちとなっているので、別の世界に転生でもよいかのぉ?』


 やはり信用できん奴だ。

 だが、別の世界とはどういう意味だ?


「ちなみに別の世界とは、どんな場所だ?」


 危険生物がいる世界なんかへ送られても、絶対に生き残れる自信は無い。


『その世界とは……』


 このジジイ、別の世界ってやつを発表するのに、いちいち間をあけやがった!


「早く教えろよ!」


『ふむ、別の世界とは、お前さんも知っている世界じゃ』


 俺が知っている世界? 地球以外に知っている世界なんぞ知らんはずだ。


「はぁ? 俺が知っている世界だと?」


『うむ、お前さんもよく知っている世界、[ファクトリーアース]の世界じゃ』


 唐突にゲームの名前が出てきて、俺は思考が停止したような顔をしてしまった。


『とは言うものの、ファクトリーアースによく似た世界でゲームの中ではないぞ!』


 いや、このジジイならやりかねん。


「本当に似たような世界が在るのかよ?」


 俺の言葉に爺さんはニヤッと笑みを浮かべる。


『在るぞ。実際のところ、お前さんがいた世界のゲームはな、殆どが実在しておるんじゃ。元々、開発者である人物の前世がそこにあり、その時の記憶が夢のようにして出来上がったりするものなんじゃ』


 言われている内容は、イマイチ説得力に欠けるが、あの世界でなら生き残れる自信はある。

 あとは交渉次第だ。


「わかった。なら、ステータスや人種などは俺のセーブデータから移植してくれないか? あと、文字の読み書きや翻訳も頼む」


『ふむ、その程度のことなら直ぐにでもできるぞ。さぁ、目を潰れ』


 俺は爺さんに言われたとおり、目を閉じた。


『心の中で10秒ほど数えてから、目を開けるんじゃ』


 言われた通りに10秒数えると、なんだか周りが騒がしくなった気がして、取り敢えず目を開けてみると、噴水の前に立っていた理由である。

 もう少しお願いをしたかったが、時は既に遅かったという訳だ。

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