第18話 ポイント付与
採寸が終わりルノの服を作り始め、一つ気がついた。ルノは尻尾が生えているので、尻尾が出せる穴も作らなければならない。聞くのは恥ずかしいが、どこから生えているのか確認すると、ルノは少し恥じらいながら生えている場所を見せてくれた。尻尾ってお尻よりも少し上なんだね……。
ついでにルノのパジャマなども作り、ルノのためだけに一時間ほど使った。服に関しては生活魔法で汚れを落としてから新しい下着や服を着させた。
「ふぉ! この下着ピッタリですよ! 変態ですか……イテッ!」
余計な一言を言ったので頭を叩いた。誰が変態だよ。
「服も素敵ですが、どうしてスカートじゃないんですか?」
「冒険者がスカートを履くかよ」
「先人となりますよ! イテッ!」
先ほどまでの怯えが嘘のように軽口をたたくルノ。それだけ嬉しかったのだろう。
「じゃあ冒険者ギルドへ行って、お前を登録するか」
「承知いたしました! で、その後にご飯ですか?」
「屋台で何かを買い、食いながら帰るかな。家の修繕は明日行おう」
ルノは「了解です!」と言って手を挙げたが、こいつに構っていると時間がもったいないのでシカトしてうけつけへ行き、作業が終わった旨を話て冒険者ギルドへ向かった。
冒険者ギルドに到着し、中へ入ったら直ぐにカレンたちと遭遇してしまった。
「お、キョスケじゃないか! 何処へ行っていたん……だ、誰だ! その女は!」
「彼女に関してはラインハルトのオッサンに聞いてください。それに俺はパーティを抜けたはずです」
「お前の名は何と言う!」
俺の話も聞かずにルノに詰め寄るカレン。誰だって構わないだろうに……。
「初めまして、私はシノミヤ様の奴隷をしております、ルノと申します。お見苦しい姿を見せてしまい申し訳ありません」
ルノは自己紹介と謝罪の言葉をカレンに言う。別に謝罪する必要ないのに。
「チッ、なんだ玩具か」
玩具?
「キョスケ! こいつら玩具はな、ストレスが溜まったときに叩くとすっきりするんだ」
何を言ってんだ?
「このように叩いても、こいつらは声を上げない……」
そう言ってルノを叩こうとしたので、目にも止まらないほど早く、誰にもバレないようにカレンの顎先を殴った。
カレンは膝から崩れ落ちるように倒れると、エレンとセリナの二人がカレンのそばに駆け寄ってきた。
「俺の女に手を上げないでもらえますか。聞こえていないなら、俺に構うのはやめてくださいと伝えてください。ランクアップの件に関しては感謝してますが、お願いしていないのでお礼は言いません。それではさようなら」
そう言って俺はルノの手を引っ張ってカウンターに向かい、さっさと冒険者登録を済ませて冒険者ギルドを後にした。ギルドを出るときにカレンの方を見たが、脳震盪をおこしているのか意識が虚ろとしているようだった。俺は逃げるようにルノの手を引っ張ってギルドを後にして、露店が並んでいる通りを目指した。
露店に到着するとルノは「ご主人さま!」と声を上げた。
「なんだよ?」
「もう手を放しても構わないかと……」
言われて手を放す。別に放さなくっても構わなかったが、ルノが放してほしそうだったから……。
「あの、先ほどは……ありがとうございます」
「何の話だ? パーティを脱退する口実が欲しかっただけだ」
「それでも! ありがとうございます」
「そんなことより飯を食って帰るぞ。何を食べるか選んで来いよ」
ルノに食べたいものを選ばせると、ルノは色々なものが珍しく映っているらしく、食べ物ではない物を選んでいたのでお仕置きして、俺が屋台の飯を選び近くのベンチに腰掛けて二人でそれを食べた。お仕置きと言っても、軽く頭を小突く程度だ。なるべくなら優しくしてやりた。
食事を終えて家へ戻り、ルノが寄り道した際に購入した魔光石に明かりを灯ししてルノに持たせる。
家の間取りは2LDKで中々に広いが、ところどころ床が腐っている場所や、壁にクラックが入っている。
トイレは汲み取り式のボットン便所で、紙はない。ここで一つ問題が発生した。それはルノのトイレである。ルノは魔法が使えないためトイレの後始末ができないのだ。
「……トイレに行きたいです」
モジモジしながらルノは言う。
「取り敢えず行ってこい。その間に考えるから」
そう言うと、ルノは急いでトイレへ行く。さて、どうしたものか……。
トイレに行ったは良いが拭くものが無ければトイレから出れない。メニュー画面を開きトイレットペーパーがあるか探してみるが、ゲームではトイレに行く必要がないのでトイレットペーパーは見当たらなかった。
「さて、どうしたものか……」
早く考えないと、ルノがトイレから出られなくなってしまう。鍛冶スキルでどうにかならないか探そうとした瞬間、ルノが「ご主人さま! まだですか!」と言ってきた。
「もう少し待て! 今考えているから」
考えても仕方がないためルノが入っているトイレへ行き、ドアを開けるように言うとルノは少しだけドアを開けたので、生活魔法を使いルノを綺麗にさせると、ルノは勢いよくドアを閉めた。
それから少ししてからルノがトイレから出てくるが、顔を赤くさせて俺の方をみないようにしていた。正直に言うと、少しだけ見えてしまった。
「ご主人さま、一番最初に片付けるのはトイレかと思います!」
「だよな。ルノは魔力量が少ないって話だけど、ギルドプレートのストレージは使えるのか?」
「あの程度であれば使えます」
「魔力を流すことは可能なのか……」
メニュー画面を開き自分のステータスを見ると、ポイントと記載されてある。そういえば、お告げでステータスポイントを仲間に割り振れるようなことが記載されていたな。もしかしたらルノに割り振れるのかもしれない。俺はポイントをタッチすると仲間に割り振るか自分に使用するのか聞かれてきたため仲間に割り振るを選択すると、ルノの名前だけ表示する。
俺は小さくガッツポーズをしてルノを選択すると、何ポイント割り振るのか聞かれ40ポイント全てを選択し、メニュー画面に戻って奴隷を選択。ルノが表示されたのでそれをタップし、ルノのステータスが表示された。
ステータス※奴隷
名前:ルノ
種族:獣人ハーフ
年齢:18歳
ポイント:40
Lv:0
HP:20
MP:3
STR:8
AGI:12
DEX:9
VIT:15
INT:4
どうやら無事にステータスポイントを割り振ることができたようだ。
先ずはMPに7ポイント割り振り合計でMPが10になった。次は魔法欄を開くと、魔法によってポイントが異なるらしく、生活魔法を覚えるのに10ポイント必要になるらしいが、今後の生活を考えると必ず必要になるはずなので覚えさせた。
ステータス※奴隷
名前:ルノ
種族:獣人ハーフ
年齢:18歳
ポイント:23
Lv:0
HP:20
MP:10
STR:8
AGI:12
DEX:9
VIT:15
INT:4
【魔法】生活魔法
ステータスが更新され、ルノのMPと魔法を習得させることに成功した。
「ルノ、お前に魔法を授けてみた。使えるかどうか試してみろ」
「はい? 魔法を授けたと?
「おう、魔力量を上げて、魔法を習得させてみた。早く試してみろ」
「そう言われても、何の魔法を習得させてくれたのか分からないですし、魔法って勝手に習得させられるものなんですか? 神様でもあるまいし……」
「授けた魔法は生活魔法。使えるはずだから試してみろ」
「生活魔法ですか? 本当に使えるのかなぁ……」
うだうだ言いながらルノは指先に魔力をためて、魔法を発動させる。……だが、どう変化したのか分からない。
「たしかに魔法が発動したはずなんですが、私、先ほど掛けてもらったので分からないです……」
今から泥だらけになって来いとは言えないため、俺は深い溜め息を吐いて布団を敷き始めると、ルノが俺の隣に布団を敷き始めた。
「おい、ルノ。なんで俺の隣に布団を敷いているんだよ?」
「お世話をするんですから当たり前では?」
お世話をしているのは俺の方だ。世話のかかる奴隷だな……本当に。
「お前はあっちの部屋で寝ろ!」
俺はルノと布団を掴んで隣の部屋へ投げ入れ、改めて布団を敷いて寝ることにしたのだった。




