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静かな時間 ~プロローグ~
明治維新直後、幕府のお抱えの任を解かれたひとりの能役者は江戸に残る事を決める。
数百年の時を超え、忘れられてしまった鎮魂の儀を守るために。
時は経ち、表の時間と裏の時間を揺蕩いながら生きる事を定められた家に生まれた、独りの娘、燈子は周りからは何を考えているかわからないとよく言われる。
そんな周囲からの言葉を気にも留めず、四季折々の花に目を向け風の声に耳を傾ける。
そんな折、祖父に「そろそろ心に耳を傾けてはどうかな」と言われた燈子が行く先は・・・
夢幻と現の狭間の物語。
はじめまして。初投稿なので、宜しくお願いします