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仏壇には手をあわせないくせに、墓参りは一番いく。


きょうもパパと子供達で行ってきた。


春になったから、ビー玉とイースターエッグを100きんで買った。


うちのお墓は風車もまわってる


お墓には4歳で亡くなった父の姉がいる。


大好きなおばあちゃんが、たぶん、私に成長を重ねてみていた。


私にいつも話をしていた。


戦争で貧しくて飢餓と病気で亡くなった。


おじいちゃんは父親がおばあちゃんのお腹にいるときに赤札がきた、


どっかの外国の海で船ごと沈んでる。


遺影でしか知らないで、父親も知らないおじいちゃん。


わたしもよくわかんない。


ばあちゃんは、おじいちゃんより娘の話や戦時中、どうやって空襲を逃げたかを、


よく私に寝物語で話してた。


たぶん、私にだけ、話してた。


たくさん、きいた。あんまり、きいたから、よく覚えてない。


ただ、おばあちゃんはおじいちゃんの死より娘の死を悲しんでた。


だから、いつも子供達とダイソーでえらぶ。


うちのお墓はカラフルだ。線香もお花も変えないけど、それは、じいちゃんたちに任せてるし、造花はべんり。


ついでに風車はよくまわってる。


りんごジュースやお酒、オモチャは、よく入れ替えるけど、捨てるから100均。


ーごめんなさい?


かなあ。


いつのまにか、子供達はおばさんの年齢をおいこした。


おばあちゃんとお母さんの仲はあまりよくなかった。


だから、自分より祖母に懐く私とは距離がでたんだとわかってる。


そして、母は私の前に男の子を死産してる。流産じゃない、


ー死産だ。


私によく父も言ってた、


お前はほんとうなら、男の子だった。


いまなら、めちゃくちゃだけど、小さな時は男の子だと思って、ぼく、や、男の子の格好をしていた。


釣りや運転が好きなのは、ルーツはそこだ。


可愛いスカートよりズボンやTシャツで、アトピー性皮膚炎だから綿100%しか着せない。着れない。


ーいまでもすり込みがある。


ただ、おばあちゃんだけは、一回もそんな話をしなかった。


娘をなくしたおばあちゃんには、わかったんだね?


おばあちゃんの子供は4人。


唯一の娘が、4歳で亡くなった。


かあ。


写真もないから、見たことない。仏壇にはおばあちゃんとおじいちゃんだけ。


かあ。


父親より、たぶん、私の方がおばあちゃんより話をきいてる。


吐き出さないと、私を可愛がれなかったんだろう。


重ねてたね?


だから、ちゃんと、お墓にいくよ?


子供達も自然と選んでる。


あっ、ビー玉じゃない。


今日はスライム置いた。むかしはなかったよね?


遊び方わかるかなあ。

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