4話【後編】
「一般に魔力無効化スキルは防具等の効果として一時期高い人気を誇り、魔力無効化がエンチャント......いわゆる付与された状態の武具は高い値段で取引されました。しかし......」
「しかし?」
「えっと......その防具を装備した人は必ずしも大きなデメリットがあります。それが『魔力が無効化』されてしまう、つまり、自分の防具や武器のエンチャントの完全無効、回復アイテムを使用しても回復できない、味方の援護魔法が一切効かないなどです。
相手の魔法が効かない、相手の援護魔法のバフを全て無効化できる代わりに自分への代償がとても大きく、もう使っている人はいないとか」
最初のうちは説明口調になると敬語になるんだ〜なんて考えていたが、後半になるにつれ、顔が段々と青ざめていった。
「えっ、つまり回復して貰えないの僕......???」
そういうこと、と、シトラ。
「できないっていう表現が正しいかな、売ってる防具とかってエンチャントで実際の鉱石より軽くなるように調節してるものが多いから全部オーダーメイドでどうにかする必要があるし」
「そうですね。薬草も店で使っているものはほとんど魔力のこもったものなので使えないかと。」
頭を抱え込んでしまった。えっ、じゃあどうすればいいんだ?絶望の中、シトラとフレッドが、
「私はアストと一緒に居るから、守ってあげるから!!!」
「俺も今は他のところでギルドの仕事してるが片付けきったら混ぜてくれよ」
と言ってくれた。光かメシアか何かなのかこいつらは。本当に有難くて涙が出そうだ。
そして切った指に巻くように、とフレッドは僕に包帯を渡しながらこう言った。
「まあ、やろうとすれば全然前線出れるけどな。盾役として」
「勘弁してくれ......」
前言撤回、フレッドは悪魔だ。