あれから六年後の現在ついて
「ん……朝か……」
昨日カーテンを閉めるのを忘れたため
太陽の光が窓から差し込み無理やり起こされた。
頭を左に傾け目覚まし時計を見ると
まだ6時30分だった。
いつも休みの日は昼過ぎぐらいまで
寝るときがあるため今日は早起きだ。
二度寝をしてもいいが
一度意識が覚醒してしまうと再び寝るのは
時間が掛かるため起きることにした。
「あっ……」
さっきまで寝ていたためすぐに気づくことができなかった
感触に気づく。
頭を右に傾けると気持ちよさそうに
横で寝ている妹…由希の姿があった。
布団が被っていて見えはしないが
腕ごと抱かれており
足は絡められている。
こんな細い身体のどこにこんな力があるのだろうか。
まったく動くことができない。
「由希起きろ、朝だぞ」
「スゥ…スゥ…」
起きてくれないので僕は身体を揺さぶるが
由希から離れることができない。
ちなみにだが胸は当たっているが
成長していないので何も感じない。
「由希…起きてるだろ…
頼むはなしてくれないか?」
だが力は逆にさらに強くされた。
「本当に頼む…トイレ行きたい」
その言葉を言ったのが間違いだった。
今までの二倍ぐらいの強さになった。
本当に何も身動きができなくなった。
「ちょ…本当にトイレ行きたいから離して」
「………いや」
かわいく言われても我慢の限界くるから
さすがに焦ってしまう。
「えっ…助けて…誰か…助けてーー!!」
◇
「ふぅ……」
なんとか腕と足を動かせる状態にして
由希を背負いながら階段を降りて
由希をリビングのソファーに寝かせて
トイレに行って今スッキリした。
今ではすっかり由希は家族に馴染んできて
仲良くなっていた。
「まじで危なかった…」
そう言いながらリビングに戻ると。
「兄さん漏らしても良かったんじゃないですか?」
「いや、ダメだろ」
「いいじゃないですか、
兄さんとわたし以外誰もいないのに」
「確かにそうだけど」
両親はもともと忙しい人ではあったが
まさかアメリカに出張とは本当に何の仕事してんだか…。
現在俺は中学三年で由希は中学一年。
父が心配だと言って母はアメリカについて行き
僕たちは日本に残ったのだ。
「兄さん今日の予定は?」
「土曜日だしゆっくり家で過ごす」
「分かりました。
ちなみに兄さん明日は何か予定ありますか?」
「別に何もないけど」
「そうですか、なら明日は一緒に買い物に行きませんか?」
「暇だしいいけど」
「やった♪ありがとうございます!」
満足そうに由希は笑っていた。
サンタはいいプレゼントを持ってきてくれたものだ。