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些細なきっかけ
16歳の頃に心の病気になった。
夏のある日、友人に体臭が臭いと言われて
それから体臭を気にするようになった。
ほかの友人たちもそれに便乗するかのように
「お前臭いぞ」
と言い始め、
気の弱い自分は反論することもできずに
笑って誤魔化すことしかできなかった。
反応を見ておもしろがっていたので
「からかわれているだけだろう。」
と最初は思っていた。
しかしその"からかい"は
収まることはなく
不安になって母親に相談したら
「あなたは臭い匂いなんてしたことがないから大丈夫。」
と言ってくれた。
でもその言葉を信じられない状態にまでなっていて
"安心"よりも
自分を気遣って嘘をついてくれているのではないか
という"不安"の気持ちが強くなって
「本当に自分は臭いんじゃないか。」
と思うようになった。