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ある一つの世界の誕生と崩壊の歴史

作者: 怜lay

かつて、地上に魔法という名の技術が巡り巡った時代。

人々は魔法をいろいろなものへ変化させた。

中でも戦闘時において最も強力とされた魔法剣。

剣に魔力を宿し、属性別ではあるが刀身に魔力を纏って斬る技術があった。

未だ戦争の絶えない時代だからこそ必要なのかもしれない。

そんな中、ある名鍛冶士によって遂に、最強とされる魔法剣が打ち出された。

名を”エクスカリバー”という。

全ての属性効果を有し、ほとんどの斬撃・魔力を無に帰す力を持った。

たった一本の剣のために、四つの国が争った。

結果、その剣を握ったのは・・・紛れも無い鍛冶士だった。

鍛冶士はエクスカリバーを振り、四つの国を次々と沈めた。

世が彼と、伝説の剣に畏怖を覚え、世界の破滅を予感した。

彼は四つの国を滅ぼし、王位を継承した。

だが、四つの国を治めた王は、何も残さずに国を去った。

ただ一つ、息子たちに、遺言を残して――

遺言の内容はこうだ。

『わが息子たちへ。

  私は戦争が嫌いだ。

   王位継承のために息子たちに争って欲しくはない。

    そこで私は名案を思いついた。

     エクスカリバーを四つの剣へと分割し、国も四つへ分割しようと思う。

      後は四人で好きに決めるといい。                』

四つの剣――すなわち

死を司る剣”デッドリー・クロス”

星を司る剣”スター・ゲイザー”

理を司る剣”エアリアル・セイバー”

闇を司る剣”ダーク・クロニクル”。


四つの国――すなわち

終わりの国”アライヴ”

星空の国”アセリア”

大地の国”ガイア”

世界の淵”デッドエンド”。


それぞれの国に、それぞれの剣を持った、それぞれの王位継承者が赴く。


第一王位継承者”フェンリル=アドネスター”は、死を司る剣を持ち、終わりの国へ。

第二王位継承者”ウィリアム=スターライト”は、星を司る剣を持ち、星空の国へ。

第三王位継承者”レオン=シルバーバーグ”は、理を司る剣を持ち、大地の国へ。

第四王位継承者”レイ=スカーレイヤー”は、闇を司る剣を持ち、世界の淵へ・・・。


領土の広さではフェンリルが勝っていたが、戦力と住人の信頼ではレオンが優越していた。

また、レイ率いるデッドエンドの住民たちは、荒れ果てた土地を耕し、畑に変えることで、毎年の飢饉を凌いでいた。

ウィリアムが引き継いだアセリアでは飛躍的に技術が発達し、いつしか空を自由に飛びまわるようになった。

ウィリアムは、自分たちだけが楽しんでいても示しがつかないと思い、他の国々にも、自分が発明した技術を伝えていった。

そのおかげか、国々で交流が盛んになった。

デッドエンドからは、農作物が。

ガイアからは豊富な土と豊かな水が。

アセリアからは技術が。

アライヴからは道具が。

それぞれの国が協力しあい、一時は上手く事は進んでいた。

そして、18年後・・・事件は、終わりの国・アライヴで起こった・・・・・・


世界消滅。

それはアセリアの国の研究機関が打ち出した未来予想である。

このままでは、世界は崩壊、消滅するだろう。

それは、デッドエンドに以前から見られた兆候だった。

遠く、地平線の真下に位置する世界の淵。

その淵が、僅かずつだが、中心に向かって迫ってきているのだ。

このまま放っておけば、いずれ世界は世界の淵に飲み込まれるであろう。

そして、アライヴでは、世界の淵から突如として現れた謎の鬼たちが国を大混乱に陥れていた。


アライヴは、鬼たちの手によって壊滅。


デッドエンドも、世界の淵に追いつかれ、底に沈む。


残ったアセリアとガイアの国は、なんとかして平和を取り戻せないかと躍起になった。

アセリアは、空から逃げることを提案した。

偵察隊数機で、世界の淵と、その向こうを確認してみよう、と。

世界の淵は、底なしで、一度降りればもう戻って来れない。底には、鬼たちの世界が広がっていると思われた。

そして、世界の果ての向こうには。


青い空と、蒼い海が広がっていた。


自分たちの住んでいた場所は、巨大な大陸だったのだ。

アセリアとガイアの住人たちは、次々に世界の外へと旅立っていく。


世界の外には、何もないというのに。


延々と続く空。そして、海。


目的もなくただフラフラと飛んでいる飛行機。


やがて燃料も尽き果て、海へと不時着する。

あとは風に任せて、海を流れるだけ。


やがて、海水によって船体は錆果て、こけ落ちる。

海水は塩辛く、とても飲めたものではなかったが、非常食の尽きた今、頼れるのは海水だけだった。


やがて、船の上からポツリ、ポツリと人が落ちていく。

息絶えた者。生きることを諦めた者。幻覚に怯え、死を選ぶ者。


―――そして、世界には、誰もいなくなった。

元々は何かの冒頭部分に使おうと書いたもの。いちおう完結しているので投稿してみることに。途中に出てくる四人の王子の名前はかなり適当だったりします(笑)。実は作者の処女作にとても位置が近い部分でもあります。ちょっと文章がおかしいところも多々あると思いますが、ご勘弁を<(_ _)>

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