冷たい眩暈、街の夜景
夜景が、綺麗…と君が云う。
僕も君の言葉に頷く。
だけれども、今、僕の隣にはただ、冷たい風が吹くだけだ。
目の前の世界も、今では暗い色の染まった。
二人で住もう、と言って買った高層マンション。
広い部屋に一人でいるのが耐えられなくて、僕は屋上45階に昇った。
そこから見る、景色は本当に綺麗だった。
都会の明かりが宝石のように、きらきらと輝いていた。
赤く輝いた東京タワーも見えた。
そういえば、あの展望台からも君と一緒に夜景を見たっけか。
君は、あの時、こう言ったんだ。
世界は案外、小さいのね、と。
僕が、理由を聞くと、君ははにかみながら、
だって、私とあなたがこうして出会えるなんて、広い世界じゃありえないわ
と。
でも、君はもう、どこにも居ないじゃないか。
世界はせまくなくて、広かったとしても、君は見つからないじゃないか。
もしも、今の世界が夢だと言うなら、どんなに幸せだろう。
君が、悪夢から僕の名を呼んで、起こしてくれたらいいのに。
僕は、君だけを愛した一級品。
僕は、君以外愛せない欠陥品。
欠陥品は、もう一級品には戻れない。
僕は、星空を見上げる。
街が暗くなってしまった代わりに、夜景は空に引っ越しをしたようだ。
僕は、満天の星へ手を伸ばした。
空に手が届くような気がして。
君に会える気がして。
視界が霞んだ。
今、世界は反転する。
冷たい風は、耳元を通り過ぎながら、僕を嘲笑っていく。
しょうがないさ、僕は、君以外愛せない…。
冷たい眩暈を起こした僕に、ほら、君はすぐ来てくれた。
45階の屋上よりも高いところで、君とまた街の夜景を見よう。
自殺イクナイ(´・ω・`)




