140字小説まとめ25
掲載日:2026/05/03
『心臓』と呼ばれたものを、握り潰す。私の中から取り出したそれは、まだ規則正しく、脈打っていた。
老衰で、遺体となった博士を見つめる。私を……ロボットを完成させて、置いて、逝った人。
『心臓』を粗末にしたら、私は動かなくなる事を教えてくれた人。
今度はさらに強く、手に力を込めた。
『強い、意思』
「私達、別れましょう」
「な、なに……」
「好きな人ができたの……だから、ごめんなさい」
「あ、貴女、誰なんですか……!」
「ジェットコースターで、彼氏と別れ話をする、練習がしたかったんです」
たまたま隣に座った、貴方で。
ジェットコースターが下る直前、女性にそう言い放たれた。
『絶叫系別れ話』




