タイトル未定2025/12/29 21:11
若菜と赤井は 公園を出て、bar「ジェシカ」に向かって再び歩き出した。
繁華街に着く頃には、日が落ちて少しずつ暗くなっていた。
横断歩道で信号待ちをしていると、見慣れた顔があった。
「馬場さん!それに、ちはるさん!」
赤井の声に馬場は振り向き、馬場は声を上げた。
「おお、赤井!それにスイちゃん」
赤井が持っていたケースを見て、ちはるは、赤井にそっと耳打ちをした。
「スイと一緒に、スーツを買いに行ったんだ」
休みの日に若菜に会うのを断られ落ち込んでいた赤井を、見るに見かねた馬場とちはるは、「若菜の入学式の時に着ていくスーツを、一緒に買いに行ったら?」と、助言をしたのだった。
赤井は、少し離れた位置にいた若菜と馬場を見ていた。
若菜はこれからbar「ジェシカ」に
行くことを、馬場に話していた。
馬場は、後ろを振り返った。
「おーい、友光。赤井たちマスターの店に行くってよ。行こうぜ」
ちはるは、わかったと馬場を追い払うように手を振った。
赤井とちはるは、若菜と馬場に距離をとって歩いた。
「スイと買い物に行ったわりには、嬉しそうじゃないわね」
「だって、買ったスーツをマスターと白田さんに見せに行くって言いだすから」
「あぁ、それでマスターの店に行くんだ」
「なんで、こうなるんだよ」
「まぁ、まぁ」
「あれ、ちはるさんは馬場さんと?」
「馬場に、暇だからって誘われた」
「ちはるさんも、暇だったんですね」
「赤井、うるさいよ。ねぇ、いつまでも落ち込んでいるんじゃないわよ!」
「だって、スーツを買った時、店員にきょうだいと思われた」
「きょ……きょうだい?」
笑いをこらえていたちはるだったが、耐え切れず笑い出した。




