7.王都の副ギルド長
夕方、王都の冒険者ギルドにノートンからの魔道鳩が届く。
女ギルド職員「副ギルド長!ダンジョンの討伐隊から緊急の連絡です!」
副ギルド長ブレア「分かった。・・・魔道鳩か。」
魔道鳩とは、魔道具として作られた魔法の手紙の事で白い鳩の形になって飛ぶことができ、
予め送り主を設定しておけば世界の果てやダンジョンの最奥であろうと鳩によって配達される。
(ほう、5階に悪魔の巣があったか。・・・ん?何っ!?巣を継続観察だと・・・?ほほう・・)
白いひげを生やした初老の男性である副ギルド長は手紙を見て目を白黒させている。
「な、何が書いてあるんです?悪い事でも起こったのですか?」
「い、いや、普通なら発見後即浄化する悪魔の巣を継続観察すると書いてあってな。」
「えっ!?なぜ浄化しないんでしょう?危険ではないのですか?」
聞いた事も無い現場の対応に男ギルド職員も口を挟んでくる。
「う、うむ。手紙を最後まで読んだが、完全制圧した状態で沸いてくる魔狼を倒しながら巣を観察する、との事だ。魔物が沸かなくなるまで待つようだ。」
「んんん???」
(まぁ悪魔の巣の資料は少ないから危険がないのなら悪い選択肢ではない、何が目的なのかは分からんが面白そうだ。)
ブレアはそう思いながら時計を見る。
(ギルド長に報告して書類を片付けたら時間が出来るな、明日の朝にでも行ってみるかのう。)
「明朝、私もダンジョンの5階に行って悪魔の巣を見てくる。すまんが後を頼むぞ。」
「了解しました、お気をつけて!」
この副ギルド長、若い頃は名の知れた高ランク冒険者だった。
討伐隊のいる推奨レベル20のダンジョンなど、年老いた今でもソロで難なくクリア出来るほどの腕前だ。
今回の討伐隊の平均レベルは20前後であり、彼の進言によって討伐パーティが編成された。
同レベル帯のダンジョンで育成と経験を兼ねさせようという親心であった。
人手が足りない状況で各地に点在するレベル20前後のダンジョンを任せられるようになればギルド的にもかなり助かる。
(ランクで言えば下から2番目くらいのダンジョンだが討伐隊はよくやっているようだ。)
ブレアは満足げな笑みを浮かべながら溜まっている書類を片付けていった。




