45.帰還
「さて、最後にボス部屋に入りましょうか、討伐して帰りましょう。」
悪魔の巣を浄化中に肉盾さん達が魔石の回収作業をしてくれていたので、後はボスを倒して地上へ帰るだけとなった。
最奥のボス部屋の扉を開けて中に入ると、待ち構えていたのは鎧で武装したスケルトンナイト1体だった。
通常のスケルトンの倍の体躯があり、いかにもボスらしくて強そうだ。
しかし、残念なことにボス部屋に入って来た8人は聖属性武器・魔法を持つアンデッド退治のエキスパート集団。
速攻で健吾に火の回復魔法を何発も喰らい、深刻な持続回復ダメージを受けながら突進してきたところを聖騎士様に止められ、剣と弓のスタン攻撃を喰らい、聖女様に聖属性たっぷりの回復魔法を全身に浴びて昇天していった。
ボスの経験値をもらって健吾のレベルが一つ上がる。
聖女様は31になって適正レベルから10以上離れてしまったので経験値半減、レベルは上がらなかった。
「やりましたわ!」
「ええ、素晴らしい連携でした!最下層の処理が一番大変でしたがいい練習になりましたねぇ。」
「はは、あれを練習と言うのはケンゴさんだけですよ・・。」
あの異常湧き状態を経験値の塊と言い、我らにダメージのないスキルでの足止めを指示し、自分は涼しい顔で攻撃と魔力回復をこなし、おまけにボスまで楽々討伐、クリアまでに3時間弱という圧倒的な早さに副騎士団長さん達も脱帽していた。
ボスのドロップアイテムを回収し、奥で光っている帰還用の魔法陣に乗り一瞬で地上へ出た。
「はぁぁ~、すごい体験でしたわぁ。」
「あはは、お疲れさまでした。皆さんもお忙しい所ありがとうございました。」
と感謝を述べると肉盾さん達に囲まれる。
「いえいえ、我々がどう動くべきか指示して頂いてたので不謹慎ではあるが少し楽しんでしまいました。」
「ケンゴ殿はいい指揮官になれますなぁ、はっはっは!」
「あ、あなたの魔力消費と回復力がおかしいとスティング師団長に聞いてましたがここまでとはね・・・。変態だわ・・・。」
地上に着いた途端に絶賛の嵐。
だがゲーム内でも的確な指示によって数々のボスを討伐したという実績と経験があった健吾には、今回の恵まれた環境での討伐は正直ヌルゲーであった。
「いやいやまだまだですよ、聖女様は適正レベルから外れてしまいましたが、次は婦長さんや新人さん、看護婦さんたちもレベル30くらいまで上げちゃいましょう。」
「「え・・・?」」
「聖女様1人がレベル上がって魔力量が少し増えたところで療養塔の人手不足は変わりませんよ。治療に携わっている全ての人がレベルアップしなければ!」
「「お、おおおー!」」
「ケンゴさん、あなた・・・っ!素晴らしいですわあああ!」
歓声と同時に聖女様に抱き付かれる。
「ちょっ!・・・あああ当たってますって!うほおおお!」
面白聖女様の可愛げな容姿に釣り合わないグラマラスボディのぽよんぽよんを無自覚に当てられ赤面する健吾。
「あ、悪魔の巣を浄化したので異常な湧きはもうないでしょうし、今回と同じパーティ構成なら一周1時間かからないでクリア出来そうですねぇ。」
「ボス討伐でかなり経験値稼げますから一周で2~3レベル上がりそうですよ。」
「あとほんの100周程度で医療塔の皆さんのレベルが上がると思えばテンションも上がりますね!」
「騎士の皆さんも交代で参加してくれれば効率はさらに上がりそうですね、要人護衛の練習にもなると思いますし。」
「んんー、僕的にはあと5周くらいしたかったのですが聖女様のレベルが適正外に・・・あ、ソロで行ってこようかな!」
楽しげな聖女様をおんぶした格好になりながら早口でまくし立てる健吾に全員唖然。
「こ、この御仁はスケールが違いますな・・・。」
「100周・・程度・・・。」
「た、確かに護衛の訓練と思えば・・・面白い!」
「そ、ソロはいけませんよ!まずお城へ帰りましょう!」
結構な無茶振りにもかかわらず、現実的にそこまでやらないと塔が回らないのは知っていたので皆納得し、一定の理解を得てしまう。
その後ダンジョンに戻ってソロ突撃しようとする健吾を聖騎士様が捕まえ、馬車に放り込んで帰城の途に就いた。
(パーティ)
健吾 レベル19 +1up! (火魔法 近距離攻撃&回復役)
聖女様 レベル31 (聖魔法 解毒、解呪、浄化、回復役)
(外部パーティ)
聖女護衛の聖騎士さん2名 レベル50+ (盾役 隊列の前後配置)
第二騎士団のエースさん レベル60+ (剣 攻撃役)
第三騎士団の副団長さん レベル50+ (短剣 攻撃役)
第三騎士団の副団長補佐さん レベル50+ (弓 中距離攻撃&斥候役)
宮廷魔導士団の序列三位さん レベル50+ (風魔法 遠距離攻撃役)




