41.再びダンジョンへ
「あ、あの・・・聖女様、前に出すぎです。」
「え?・・・あっ、ごめんなさい!」
お城から出たのが久しぶりな聖女様はダンジョンが新鮮に見えるのか、最優先護衛対象なのに前衛の位置にまでやってくる。
やれやれと苦笑しながら聖女様御一行は洞窟のような一本道を進んでいく。
構成は、
聖女護衛の聖騎士さん2名 (盾役 隊列の前後配置)
第二騎士団のエースさん (剣 攻撃役)
第三騎士団の副団長さん (短剣 攻撃役)
第三騎士団の副団長補佐さん(弓 中距離攻撃&斥候役)
宮廷魔導士団の序列三位さん(風魔法 遠距離攻撃役)
火属性魔法使い健吾 (火魔法 近中距離攻撃&回復役)
聖女様 (聖魔法 解毒、解呪、浄化、回復役)
というオーバースペックの8人パーティ。
レベルも健吾(レベル8)と聖女様(レベル21)以外は50超えの精鋭集団である。
そんな彼らが向かった先は前回と同じ討伐レベル20前後の初期型ダンジョン。
王都から30分の国立墓地の中にあり、アンデッドがよく出るダンジョンだ。
あれから健吾はギルドの討伐パーティに参加し初ダンジョンを体験。
悪魔の巣の討伐成功後、新しい火魔法の開発成功や参加者全員のパワーレベリングを提案したりしてレベル8となって帰って来た。
ダンジョンで起こった事を詳細に書き記し、傾向と対策なども添えて城に提出。
廃人ゲーマーには至極普通の案がこの世界的には突拍子もないモノであったりと紆余曲折しながらも一定の評価をしてもらい、城内では結構な知名度になっていた。
(まぁただ・・・とんかつとカツサンドを作った人って認識の方が上なんだけどね・・・。)
それもそのはず、城の重要職に就いている貴族たちは、健吾が謁見の間で召喚されて以来魔法研究と言う名目で研究施設に籠っていると思っていた。
魔法の研究施設を使う宮廷魔導士団は現代で言うオタク気質な人が多いためか閉鎖的に見られがちで、噂程度にしか健吾の様子を知る事が出来なかったのである。
その健吾がとんかつを作って城中の料理人に広めたり、療養塔で聖女様と共に患者全員を治したりした事で、政治や軍事などの偉い人にも活躍が届くようになっていった。
特にとんかつとカツサンドはお手軽で美味いとあって大人気。
王様たちも好んで食べていたほどだった。
とはいえ国難を救う働きかと言われればそうではないだろう。
やはり勇者様のような攻撃特化の能力者が悪しきものを倒す、という分かりやすい展開でなければ評価はされにくい。
聖女様の存在は別格としても、婦長さんや看護婦さんたちのような縁の下の力持ち的な支援職の評価は総じて低い。
貴重な聖属性魔法使いの確保が急務であってもなかなか変わらないお役所体質な城の現状。
患者すべてを聖女様が治療しているはずがないのに、だ。
さらに健吾の城外での活動、ダンジョン討伐参加などは極秘となっていたため知られず、結果とんかつの人のイメージが定着してしまっていた。
(まぁそれはいいんだけどね、俺はヒーラーとして活動さえ出来ればね・・うひひ)
支援するタイプの後衛職、バッファーやヒーラーにも戦闘狂はいる。
仲間のピンチにこそ輝くヒーラーは、ピンチになればなるほど興奮する人が一定数いる。
そんな複合型変態特化ヒーラーが健吾なのだ。
有名になるとか評価されるとかどうでもいい、戦闘だけを延々としていたい、それもひりつくような激戦を!
という戦闘狂をさらにこじらせた最狂ヒーラーだったゲーム時代を、召喚先のこの世界でも求め続けたいというスタイル。
(ああ、楽しいなぁダンジョン・・・!ダンジョンに籠る事が恩返しに繋がるなんて最高過ぎるう!・・・ん?)
「はむっ!あ、歩きながらでもこんな美味しいなんて!・・カツサンドすごいですわ!もぐもぐ。」
にやけて回想しながら道を進む健吾の後ろで早くもカツサンドをほおばる聖女様。
(こ、この人面白いなw口調からして貴族出身だろうに歩きながら食事www)
マイペース陽キャな聖女様に草生やしまくりの現状、それだけダンジョン攻略が容易すぎたからだった。
討伐参加者
健吾 レベル8 (火魔法 近中距離攻撃&回復役)
聖女様 レベル21 (聖魔法 解毒、解呪、浄化、回復役)
聖女護衛の聖騎士さん2名 レベル50+ (盾役 隊列の前後配置)
第二騎士団のエースさん レベル60+ (剣 攻撃役)
第三騎士団の副団長さん レベル50+ (短剣 攻撃役)
第三騎士団の副団長補佐さん レベル50+ (弓 中距離攻撃&斥候役)
宮廷魔導士団の序列三位さん レベル50+ (風魔法 遠距離攻撃役)




