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暴炎の回復術士 ~火属性ヒーラーが敵も味方も焼きまくる~  作者:
第一章 社畜廃人ゲーマーおじさん召喚される

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30/46

30.可能性

朝食後オブライトに鑑定してもらい、スティングに火の魔法書をもらって別れた。

中庭を散歩しながら考える。


(ステータスは変わらず、魔力操作が突然レベルMAXで生えていた。うほほ、顔がニヤつくう・・・。)


健吾のスキル欄には新しく「魔力操作Lv.MAX」の文字が現れていた。


(後はこの貰った魔法書。元々持ってる単体用火魔法と違って本格的な範囲攻撃魔法か・・。)


歩きながら魔法書を開いて見てみると、なぜか文字が普通に読めた。

女神様の至れり尽くせりな言語系のチートサポートに感謝する。


中身は、こんな感じで広範囲に火を放つんだよって火魔法のイメージと発動させる呪文だった。


「ほほーう、あ・・・、そう言えば詠唱してないな・・・。」


異世界小説あるあるの無詠唱。

この世界の人々には無茶苦茶なチートなのだが、現代世界のゲームで魔法を散々理解している健吾にとっても小説の主人公と同じく「イージーオペレーション、いわゆる朝飯前ってやつだ。」状態だった。


火をイメージしただけで発動出来るので詠唱なんて不要、しかしあまりに優秀過ぎても出る杭は打たれるのは世の常なので、とりあえず魔法書に書いてある呪文をそれっぽく唱えるよう心掛ける。


スティングいわく、魔法書はパラパラとめくるだけで理解する事が出来て、読み終わると消滅し魔法が覚えられるというので最後まで読むと魔法書が燃えるように消滅、Lv1の範囲魔法を覚える事ができた。


早速中庭のすみの方へ移動し、書いてあった呪文を唱えて広範囲に火が燃えるイメージをするとその通りに火が発動し延焼しまくった。


「うおっ!?ヤバいいい!」


すぐに火を消して事なきを得るが、イメージ通りにうまく進み過ぎるので若干の恐怖を覚える。


(か、簡単すぎて怖いねぇ・・・覚えててよかった火消しの魔力操作。)


(ここまで順調ならいけるか?俺の最終目標、不死鳥のような火の回復・・・!)


現代世界の人のイメージ力がこの世界ではかなりのチートらしいので、火魔法での回復もイメージすれば出来るはず、と思った健吾、底なし沼にハマる。


中庭のすみっこでの魔法練習に1時間、帰宅して部屋の中でみっちり2時間練習しても一向に回復しない。


(ぬううう分からん!火で回復するというイメージが湧かないのが問題なんだろうな。不死鳥が火で蘇る原理がまず分からんし・・・。)


そもそも火で回復するという事に無理があるがそれは百も承知。

攻撃特化の火魔法に回復する火魔法も覚えられればかなりぶっ飛んだ存在になれるのだが回復する気配すらない。


自分自身に温度を低くした火を纏わせたままあぐらをかいてうーんと悩むその様を、またノックなしに入って来たスティング一行に見られてしまう。


「け、ケンゴさん!?身体に火が!!!」


「うわあっ!あ、スティングさん、これは熱くない火ですので・・・。」


「へっ?・・あ、熱くない火・・・!?」


事情を説明すると納得してくれたが、それは魔法のアレンジではなく新魔法の部類に入るので難易度激高との事。自分で魔法書を作成するようなものと言われ落ち込む。


「やはり聖属性魔法をどうにかして覚えないと回復効果のある火なんて無理なんですかねぇ。」


「聖属性魔法は初期の回復魔法ですら段違いに強力ですからね。授かった者はのちに賢者や聖女と言われるほど活躍されています。」


「切断された腕が生えたりまではしませんが、数回重ね掛けする事で腕を引っ付ける事もできる位です。レベルの低いヒーラーが一人いるだけでパーティ全員の生存率が跳ね上がる神職ですよ。」


神官オブライトが聖属性の凄さを語り、スティングも続けて回復魔法の凄さを説明してくれた。


「うむうう、超レア職の超レア魔法が回復魔法って訳ですね。そりゃ一筋縄ではいかない訳だ。」


「でもケンゴさんの魔力操作レベルがあればダンジョンでの火魔法の危険度もかなり下がりそうですし、無理せず火属性の魔法使いとして成長なさってもよろしいかと。」


「確かにそうですね・・、まぁまだあと1日半ありますから。ダメそうなら火魔法を極めるようにしますね。」


スティングは昼食を誘いに来てくれていたようでまた御一行で中庭で昼食を取る。


火魔法が面白いので無理に回復魔法を覚えられなくてもいい・・・。

ヒーラーを諦められない思いはあれど、この現状はイメージだけではどうにもできない。


昼食後スティングたちと雑談をしながら、回復魔法への熱意が少しずつ冷めていくのを感じていた。

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