26.魔力操作
11月4日に父が亡くなり、色々あって再開するのに年が明けてしまいましたが今年もよろしくお願いします。
「ここが宮廷魔導士たちの魔法研究施設です。」
「な、なんか扉が大きいですね・・・。」
謁見の間と同じくらいの縦に長い扉の前に立ち、呪文を唱えながら手を添えると扉がゆっくりと開いた。
「魔法使いのほとんどがこの扉の中に居ますよ。魔法の研究、鍛錬、解読など各部屋で自由に取り組んでもらっています。」
扉の向こうにはまず吹き抜けの中庭のような広場があり、中庭を中心として周りに部屋の扉が並んでいた。
中庭には憩いの場と食事の場もあり、屋台らしき店も数軒出ている。
「え?部屋の中に庭・・・?な、何か面白い構造ですね・・・。」
魔法の研究施設と言われていたのでもっとお堅い場所なのかと思っていたので面食らう。
現代で言うならオフィスビルの1フロアの真ん中に公園があるような独特さだった。
「皆研究熱心すぎて部屋に籠ってしまうので定期的に声をかけて中庭に連れ出してます。太陽の光を浴び、食事を取ってリラックスしてもらうように改善した結果がこれですね。」
スティングは苦笑いしながら中庭を通る。食事も取らずに研究に没頭する魔術師が多いのだろう。
中庭から一番遠い扉の前で止まる。
「ここがケンゴさん専用の部屋となります。特別室なのでベッドや風呂もありますよ、屋台の食事も無料です。当面はこちらで生活して頂ければと思います。」
扉を呪文で開け部屋に入ると比較的広めの部屋に研究用のテーブルとイス。
左側の扉にバストイレ、そして右側に寝室があった。
元の世界で例えるなら豪華な調度品がない高級ホテルの一室という感じか。
「と、とんでもなくいい部屋ですねぇ・・。本当にいいのでしょうか。」
「もちろんです!どんな事情があれどケンゴさんを勝手にこの世界に呼んだのは我々ですから。
なのに協力して頂き、魔法の研究もと言われれば同じ魔法使いとして喜ばずにはいられません!」
「きょ、恐縮です。ありがたく使わせて頂きます。」
「短い時間ではありますが僕なりに色々研究して3日結果が出なければ、ちゃんと火属性魔法使いとして成長し、ダンジョンへの討伐隊に参加したいと思っています。」
「分かりました。私にできる事があれば何でも協力致します。」
「で、では早速、初期の火魔法と魔力操作を教えてください。いや、魔法の使い方からですかね・・・。」
「そ、そうでしたね。ケンゴさんは現在レベル1の火魔法が使えますのでそこから始めましょう。」
スティングの丁寧で分かりやすい魔法講座により火を発現させ、対象に向かって撃つという基本をマスターする事が出来た。
おかげで健吾も魔法を理解し始める。
「あ、火を発現するのは火属性魔法ですが、火を対象に撃つってのは念動力ですよね。
物を動かすのが念動力、これが魔力操作に当たる部分なのですか。」
「そうです、火も水も風も土も、発現させるのは属性魔法です。それを対象に向けて動かして当てなければいけない、その「動かす」部分が魔力操作なのです。」
「な、なるほど・・・。」
「魔力操作のレベルが低いと速度が遅いので回避されやすくなります。レベルが高くなれば高速で自由に動かす事が出来ますよ。」
(異世界小説の主人公達はいとも簡単に魔法撃って当ててたけど、実はそれだけでもかなりチート級だったんだなぁ。これ魔力操作レベル上げるのかなり時間かかりそう・・・。)
そんな事を想いながらひたすら火を動かす練習を繰り返した。




