19.ステータス
貴族A「火属性魔法!攻撃魔法なら6属性の中でも最強クラスだ!」
貴族B「さすがは異世界人!これで我が国も世界も救われる!」
授かったスキルが火属性魔法と聞いて大いに盛り上がる聴衆。
火水地風聖闇の6大属性の中で最も火力があり、強力な範囲魔法が多く、
燃え続ける事で持続ダメージもあるという攻撃力に極振りした属性である。
ゲームなら魔法使いは簡単に選ぶ事が出来る職で使う属性も好きに選べるが、
この世界ではまず属性魔法を授かるのが稀であり、それにより魔法使い自体が少ないらしい。
属性スキルを授かるのが約10人に1人、さらに6分の1で各属性、というガチャ確率。
皆が憧れる火属性魔法を引き当てた健吾だが、彼は完全に放心状態だった。
「はああああああ!?・・・ば、バカな・・・火属性だと・・・?ここは聖属性だろ普通・・・。
回復術士一筋20年の俺に魔法使いをやれと・・・?」
彼のショック度は担当医に「糖尿病に片足突っ込んでますねー、コーラとカップラーメン禁止です。」と言われた時より大きかった。
そんな健吾をよそ目に、オブライトは淡々と話しを進める。
「ステータスも分かりましたのでお伝えします。」
クスモト・ケンゴ 19歳
レベル 1
力 15
体力 30
魔力 100
魔力量 300
状態 健康
スキル 火属性魔法
オブライトにより健吾のステータスが読み上げられる。
レベル1でこの数値はかなり高いらしく、発表されるたびに聴衆が沸く。
(え、この数値で高いのか?レベル95のスティングさんとほぼ同じって言ってたけど。
95の数値としては体力が低すぎない?今のゲームだとどの数値も1万超えてたんだけど・・・。
モンスターの数値も低くないとレベル上げすら厳しいな・・・。)
異世界転生や転移した漫画の主人公たちのレベル1と比較すれば十分に高いのだが、
昨日までプレイしていたネトゲのステータスは全ステ1万越えなのでさすがに差が大きい。
そう、実際は元の世界での健吾自身の数値化であって、
彼のプレイしていたゲームとは特に何の関係も無かったのである。
「えっと、この数値は高いのですか?比較になる人がいたら教えて欲しいのですが。」
「そうですね、力や体力は一般男性ほどですが、魔力や魔力量はかなり高いです。
神官の私と比較しますと、魔力50,魔力量130です。レベルは38ですね。」
(うーん、オブライトさんと比べたら確かにレベル1でこの数値は高い。
これから覚える魔法の消費MPが少ないのならこの数値でも戦えそうだけど、
魔法一発でMP10や20消費するようなら10発そこらで即MP切れるぞこれ・・・。)
数値はどうしても低く見えてしまうし、魔法一発のコストも心配、
レベルアップ時のステータスの上昇値、MP枯渇後のMP自然回復量も・・・。
若返った嬉しさよりも、この数値で各地のダンジョンを攻略する事の方が気になってしまう。
回復術士としてMP管理も優秀だった彼としては、
この数値を見ただけでは自分に高い能力があるとはとても思えなかった。
それにゲーム内でも回復術士一筋で、攻撃魔法特化職なんて一度もやった事がない。
途端に弱気になってしまった健吾。
「な、なるほど、ありがとうございます。私の数値は高いのですね・・。
とりあえず覚えられる魔法を教えて貰って練習をする時間を・・・を?」
まず魔法を覚えて練習して慣れなければ、と弱気と取られない発言をしようとすると、
身体の力が抜けてぐにゃあ、と何ともあっけなく地面に倒れた。
「へ?あ、あら・・・?」
「け、ケンゴさん!大丈夫ですか!?」
退場したスティングのようにへなへなと倒れてしまい驚く。
そしてやってくる急激な睡魔。
「あ、この感じ・・知ってる・・・。」
「な、何です?」
「け、血糖値スパイク!!」
「は、はぁ???」




