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暴炎の回復術士 ~火属性ヒーラーが敵も味方も焼きまくる~  作者:
第0章 初めてのダンジョン

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13.討伐隊のお仕事完了

「その研究のおかげで火属性の回復魔法が完成したんですよ。」

「はぇー、すっごい。」

「よくもまぁ、生活魔法の初期ヒールなんてものを組み合わせようとしたのう。」


称賛されていると思い照れているが、ブレアの発言はどちらかというと呆れている。


「ただ、火魔法に初期ヒールを組み合わせる、までは上手くいったんですけど、一番重要な所が全然出来なくて・・・かなり時間がかかってしまいました。」


「組み合わせるのが一番難しいはずなんだが・・・して、重要な所とは?」


ケンゴが深呼吸をした後遠い目をしながら言った。


「色・・・。火の色です。」

「い、色?」


みんな某新喜劇のようにズッコケた。

しかしケンゴはギャグを言ったわけでもないようだ、まだ遠い目をして微笑んでいる。正直ウザい。


「はあ?色・・・?別に火に色なんて何色でも・・・あっ!」

「ふ、お分かりになられましたか・・・。」


「そう、火の色が同じだと「火の攻撃魔法」も「火の回復魔法」も一緒に見えるんです。つまり、仲間を攻撃してるように見えるんですよね。」


「なるほどー、そうよね。確かに私、最初にあなたの回復魔法(ヒール)見た時、仲間殺しだと思ったわ。」


言われた通り、敵を攻撃する火魔法と仲間を回復する火魔法が同じ色だと誤解を生む可能性大である。


「それで火の温度を調整する事などで色が変わるのが分かり、

火を生成する時に色を付け温度を限界まで落とす事で、やっと回復魔法(ヒール)が完成したんです。

それをスティングさんに報告し、すぐに討伐隊にねじ込んでもらいました。」


と、オタク特有の早口でまくし立てる。


「し、しかしいくら魔法師団長の推薦とはいえレベル1は無謀すぎる。実際現場の俺達は何も聞いてないしな。」


「ギルドも何も聞いてないぞ・・・。」


二人はさすがに少し怒っていた、その場は何とも言い難い微妙な空気に包まれる。

しかし説明責任を果たしたケンゴには全く堪えていない。

それどころか、某パチスロ専業の期待値のあるホクホク顔をしていた。


気まずい雰囲気の中、討伐隊は1階へ上がってきた。直線の通路を行けば出口がある。


「まぁよい、ケンゴ。君にはギルドでたっぷりと話を聞かせてもらうぞ。」

「あ、いえ。ダンジョン出たらスティングさんが迎えに来てると思うので城に帰ります。」

「なにっ!?魔法師団長が自ら迎えにかっ!?」


呆れ気味だった空気が一気にざわつく。


「魔道鳩を送っておいたのでもう来てるかと・・・、あ、見えましたね。」

「えええ・・・、ほ、ホントに魔法使いのトップが迎えに・・・!?」


ちょうどダンジョンを出るとスティング魔法師団長を筆頭に魔法師団が20名ほど待っていた。

ダンジョンの守衛役も、低レベルダンジョンに不相応な待ち人達にかなり緊張している。


「お疲れ様です、スティングさん任務無事成功しましたよ。」

「ああそのようですね。話は城で聞きましょう。では諸君、お先に失礼する。」


魔法師団長がそう言った直後、ケンゴと団員たちが瞬時に空へと飛び立った。

声をかける間もなく去っていく彼らを見ながら呆然と立ち尽くす討伐隊。


そして飛び立つ際に言ったケンゴの言葉。


ケンゴ「わぁ!リアルキ〇ラの翼じゃんすげえぇ!あ、魔石皆さんで分けてくださあああぃぃぃ・・・(ドップラー効果)」


城の方へ飛んで行き小さくなっていく彼らを見送りながらノートンが呟いた。


「リア・・?キ〇ラ?の翼・・・とは?魔道具でしょうか。」

「分からん・・・。」

「何だったの・・・。」

「まぁ、帰るか・・・。」


結局ギルドに何の説明もなく飛び去ってしまった事により、ケンゴの「火の色の解説」の甲斐も無く、


「召喚された異世界人が火魔法を使って仲間を燃やす」


と言う誤った噂が王都中に広がり、しばらくの間人々を恐怖に陥れた。

こうして彼の華々しい回復術士(ヒーラー)デビューが終了した。

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