10.新しい魔法作りました
そう、ケンゴの回復魔法は子供でも覚えられる生活魔法の1つ、「初期ヒール」だった。
回復魔法の数々は、聖属性魔法のスキルを授からないと覚える事が出来ない。
それでもケンゴは諦めず試行錯誤を重ねていたが時間だけが虚しく過ぎて行った。
もう諦めようとした時、怪我した子供に母親が使っていた初期ヒールを見て閃いた。
(これだ!・・・これを火魔法に取り入れれば!)
しかしこの後も試行錯誤の連続だった。
初期ヒールを使いまくってレベルを上げ、修得レベルをMAXの10にする。
魔力操作で火魔法の攻撃性を弱めダメージを無くし、火の温度を極限まで抑える。
弱めた火に初期ヒールを合わせ、燃えている間はヒールが持続するようにする事で聖魔法のヒールにも劣らない回復量を持ち、一度魔法を掛ければ傷ついても瞬時に、かつ勝手に回復するというぶっ壊れ魔法を完成させた。
といういきさつを皆に話した。
(こ、この男・・・発想が規格外!だが今はこんな若者が必要でもある!)
ブレアに勝手に気に入られたケンゴだが全く気付かない。
「エマさーん、魔力回復の効果も取り入れた魔法出来たんで掛けていいです!?」
「ええええ、すごいじゃない!魔力切れをよくやっちゃうから助かるわ、やってみて!」
あれから色々あったのか、ゴミを見る目だったエマともすっかり打ち解けている。
(何っ!?魔力回復もじゃと!?もし本当ならとんでもないが・・・。)
「ありがとうございます!では・・・(ブツブツ・・・)白き炎よ!」
ケンゴは自分とエマの青い火を解除し、小声で呪文を唱えると両手に白く燃える炎を生成する。
思いのほかキツイようで顔には汗をかいており、手足はプルプルと震えている。
「あ、ゴメンなんかやっぱりいいかも・・・。」
「いきますよおおおお!それっ!!」
「ひゃああああ!」
ケンゴの険しい表情に危険な雰囲気を察知してキャンセルしようとしたが、その前に火をぶっ掛けられた。
「あ・・・これ、すごい!じわじわだけどホントに魔力回復してるわ!」
「な、なんと!魔力も回復する炎だと・・・!もしかしてこれも燃えている限り回復するのかね!?」
「そうです!これは魔力を使う人なら誰にでも汎用性がありますよおおロロロロロロ!!」
「きゃああああ!また吐いたああ!」
「ど、どうしたのかね!大丈夫なのか!?」
即席で作った魔力回復魔法はさすがに体に無理があったようで豪快にぶちまけてしまった。
ソレを火で燃やし、自分にも青い火でヒールを掛けながら取り繕う。
「ちょ、ちょっと無理なトコがあったようですが魔法は成功です!
も、もう少し改良が必要ですかね。す、すいませんがちょっと横になります・・ね・・・。」
と言いながらバタンと横になりぐったりするケンゴ。ちょっとビクンビクンと痙攣している・・・。
ブレアには、「倒れたゾンビが火で焼かれて徐々に動かなくなっていく」ように見えたが、ぐっと堪える。
(こいつはやはりとんでもない逸材だのう。ギルド長にも報告しておくか・・。)
傍らでは白い炎を纏ったエマが悪魔の巣から出てきた魔狼数匹に、風属性魔法を嬉々として撃ちまくっていた。




