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お金持ちしかいない世界

 所得格差が進んだ世界。


 格差を是正するため、資産三百万ドル以下の人間とその子供は安楽死によって格差社会から解放されることになった。


 そうして全世界で安楽死による格差是正が完了して半年。人類は滅んだ。


 全人類がお金持ちになったからだ。


 皆お金は持っている。だからお金なんて貰っても何も売ろうとはしなくなった。お金は正真正銘ただの紙屑に成り下がったのだ。


 自分で食べ物を作るような金持ちも殆どいなかった。だから皆飢えて死んだ。


 僕は今、幸せだ。


 格差是正の二週間前、たまたま宝くじに当たって僕は安楽死出来なかった。知り合いがみんないなくなってしまって、最初の一ヶ月は何も手につかなかったけども。


 僕は今、幸せだ。


 皆いなくなって、性差別も人種差別も所得格差も、何もかもがなくなったから。


 田舎の農家の一人息子だった僕は、土地さえあれば生きていける。一人で生きていける。


 …………僕は。


 僕は今、幸せだ。

他にも作品がありますので、もし宜しければ下の作者マイページからどうぞお読み下さい。

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― 新着の感想 ―
[一言] >人間一人が死ぬまで生活する程度なら1馬力でもどうにかなるんじゃないかなぁ 結局ここなんですよね。妻子を持ち、所帯を持つと、自分ひとりの力で出来ることだけだと限界があり、妻子(特に子供)の…
[気になる点]  実際は、農機具のガソリンどうするんだとか、種や苗はどうするんだとか、何種類の作物が作れるんだとか、そのうち増える野生動物にどう対処するんだとか、塩も醤油も味噌もない世界になってそうだ…
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