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中学に入学

 こうして仲良く毎日一緒に過ごしていた。

 

 登校も下校も一緒。

 おてて繋いでるんるんるん。

 

 でも、小学三年生あたりからお互い友達と

 それぞれ下校。

 

 でも朝は毎朝一緒だし休みの日は、よくオ

 レの部屋で遊んでいる優依。

 

 お互いの両親も仲良しでよくキャンプに一

 緒に行ったりもする。

 

「優依ー。釣りしようぜー」

「しようしよう!」

「じゃ優依は、素手でつかむ係な」

「はぁ?あたしゃクマか⁉︎」

「まぁ、クマ以上だ」

「はぁ〜⁉︎」

 パシャ

 優依がオレに川の水をかけた。

「つめて〜。お返しー」

 パシャ〜

 

 キャッキャキャッキャ

 

「クスクス、いつまでも兄妹みたいね」

 と両親たちは、オレたちをみて微笑んでい

 た。

 

 

 

 夏休みは、どちらの両親も仕事だったりす

 ると、二人でお留守番したりもした。

 

 協力しておにぎりを作ったり、サンドイッ

 チを作ったりもした。

 

 

 

 そしてバレンタイン。

 

「はい、和希どうぞ」

「あー、ありがとう。じゃオレからもどうぞ

 ー」

「サンキュ」

 

 …なぜかオレも優依にあげている。

 普通オレってホワイトデーにお返しするん

 じゃないのかなーって思うけど、優依がど

 うしてもわたしも食べたいから‼︎っていう

 ことであげている。

 

 これは友チョコか⁉︎

 チョコの交換なんて…と思う。

 

 ま、その辺は幼馴染だし特別ルールで良し

 としよう。

 

 こんな平凡な毎日が長々と幸せに続いた。

 

 

 

 そして小学生最後の日

 卒業式だ。

 

 いっちに、いっちにと掛け声が聞こえる。

 優依だ

 優依が階段をのぼってきている。

 

 …

 

 ガチャ

 

「おっはよー‼︎」

 

 …またいちだんと元気に来やがった優依。

 

「お…おまえ、朝からいつもさー……⁉︎」

 って…

 …え。

 なんだよ優依⁉︎

 別人かと思ったぜ…

 

 オレは目を覚ましてすぐこんなに目を見開

 いたのは初めてだった。

 

 生まれて初めて凄いもんみたんですけど‼︎

 みたいな顔を思わずしてしまった。

 

 恥ずい恥ずい

 

 でもなぜそんなに見開いたかっていうと、

 いつもツインテールの優依が髪を下ろして

 前髪もきちんと作ってあったのだ。

 

「なに〜、そんな顔して〜。惚れたか〜?」

 なんて言われた。

 

 …とっくに惚れてるよ。

 

 でも、そんなこと恥ずかしくて言えない。

 

 だから、優依の前髪を優しく手でクシャっ

 としてやった。

 

「おいこらー‼︎頑張ってセットしたんだから

 ねー」

「ん?なんすか?ズラがズレたって?」

「ちーがーうー‼︎もー、朝ごはん食べてこよ

 っと」

 

 …切り替えはやっ。

 

 

 それにしても優依のやつ急に制服きてあん

 なかわいくなりやがって。

 

 制服女子もズボンでよくね⁉︎

 優依は、元気いっぱい人間でいいんだよ。

 かわいいのは、オレだけが知ってればそれ

 でいい。

 

 なんて言ってる場合じゃないな。

 

 オレも気合いを入れねば。

 優依に釣り合うようビシッと決めよう!

 

 ということでご飯を食べて数分後。

 

 ガラッとまたドアがあいた。

「和希ー、用意できたー?」

「おう」

 

 ⁉︎って顔の優依。

 ま、さっきのオレほどじゃないけどそこそ

 こ優依も

 ⁉︎

 な顔だった。

 

 ミーアキャットが大草原で立ち上がってキ

 ョトンとしている。

 まさにそんな感じだった。

 

「えっ」

「なんだよー、オレに惚れたか?」

「あー、意外と和希制服似合うね」

「意外とって失礼だろ。じゃ行くか」

「うん!そだね」

 ということで仲良く登校。

 

 

「なんかさー、制服に手提げって違和感」

「あー、たしかに不釣り合いだな」

 ははっ

 ぷぷっ

 

「しかも私たち制服なんてお初だから、ほん

 と違和感半端なーい」

 と優依が言った。

「だな。」

 とオレが答える。

 

 この時オレは優依の隣で肩を並べてずっと

 歩いて行くのは、オレだって思っていた。

 

 でも、これからオレたちの赤い糸は絡まっ

 ていってしまうのである。

 

 続く。

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